読書感想:WORK SHIFT
最近、働き方に向き合う時間が多くなり、ちょっと前に少し話題になっていたこの本を手に取ってみました。
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
- 作者: リンダ・グラットン,池村千秋
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2012/07/28
- メディア: ハードカバー
- 購入: 17人 クリック: 476回
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LIFE SHIFTの著者でもあるリンダ・グラッドンさんの著書。 実はこの本、帯にすでに結論が書いてあります。 その結論とは・・・
未来を自ら選び取っていくために必要な 3つのシフト
というのもの。 これについて1990年代の架空の人物の生活と2030年代の架空の人物の生活を比較するという面白いスタイルの読み物。 リンダさんの妄想がかなり具体的な形で書籍になっています。
その中から印象的なものを抜粋します。
はじめの問い
本書の序盤にこんな問いがあります。
2025年に、
私たちは、どのような仕事観をもっているのか? 私たちは、どのような仕事をしたいと思うのか? 私たちは、どのような希望をいだくのか? 私たちは、何が原因で夜眠れないほどの不安を感じるのか? 私たちは、自分のために、そして未来のために、なにを必要と感じるのか?
この問いに対して私は明確な答えは浮かばないものの、今の自分の立場や状況からすると
「より一層、情熱を燃料に進んでいる。もしくは、どこかで疲弊してしまっているのではないか。」
と感じました。ストレス社会と言われてしばらく経つ現代。 ものは増え、テクノロジーの進化とともに「忙しい」という感覚も増え続け、忙しい人は更に忙しくなっていくのでしょう。
同じ24時間でも人によっては早く感じたり、ゆっくり感じたりすると思いますが、 早く感じる人が増えるのではないかと思います。
つまり、この瞬間に対する速度が速まっていくのではないかと。
それだけの速度で駆け抜けるためには燃料がたくさん必要です。 その燃料を燃やし続けられるか。それとも燃料が切れて止まってしまうのか。
そのどちらに転ぶのかは今の私にはまだ予想がつきません。
では、燃料を補給し続けるにはどうするべきか。そんな視点もこの本に書いてありました。
この本の意味
あなたが未来を理解し、未来に押しつぶされない職業生活を切り開く手助けをするために、私はこの本を書いた。
と前置きを置いた後に
第一にゼネラリスト的な技能を尊ぶ常識を問い直すべきだ
第二に職業生活をキャリアを成功させる土台が個人主義であるという常識を問い直すべきだ
第三にどういう職業人生が幸せかという常識を問い直すべきだ
とあります。
それぞれ誤解を生みやすい言葉ではありますが、これについて事例と意見がふんだんに込められています。 詳細は本書を手に取ることをお勧めしますが、
私の理解では、前述のように
「もっと忙しくなるし、もっと大変になるぞ!」
と言っています。
具体的にはリモートワークの発展により世界との壁がなくなり、時差に関係なく週7日24時間どこでも仕事をする人が出てきたり、 新興国との情報資源の差がなくなり、ビジネス的にも人材的にも差別化がより必要になったりと言った部分です。
さらに寿命が長くなる一方でエネルギー資源は枯渇し、情報は溢れかえります。
そんな状態で我々は
「捨てるものを決め、重要なことを肉付けする」
ことに専念するべきで、つまりは多くのことに広く浅く手を出すよりも、
一つを極める。それだけではなく、続いて周辺技術も極める。それを繰り返す。
ということをしないと求められない存在となってしまうということです。 ただ、一人だけでできることには限界があります。
そのため、 自分は持ってない技術を自分と同じように極め続けている人とコミュニティーを作ることが重要です。
これが仕事の仕方そのものになるということです。 無秩序に集められた今の会社組織から外に羽ばたいた人材はそのような形で仕事を進めていきます。
そして最後に"価値"が変わります。 人々は現在、働く対価をお金という形で与えられます。
これにより無意識に
お金をもらい消費すること = 幸せ
と刷り込まれています。
そうではなく、"価値"自身が見直され、大量消費を正義とする世の中が"情熱を傾けられる経験"に変わらざるを得なくなるということです。
最後に
この本を読んで不思議と自分の行動を肯定されたような気持ちもありました。 一方で、自分はまだ「捨てる」ことができていないなと感じています。
どんな人でも1日は24時間。時にはゆっくり過ごし、自己回復したり、疾風の如く駆け抜けるにしても、 それができる時間が必要です。
そのための自分の時間を捻出するためにも、「捨てる」覚悟を持ちたいと思いました。
もしご興味がある方がいれば、この本を手に取ってみてください。
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
- 作者: リンダ・グラットン,池村千秋
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2012/07/28
- メディア: ハードカバー
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五感のフォーカスを外し、ミュートを解放する ~ファシリテーション塾実践コース 第2回~
4/6はファシリ塾の第2回に参加してきました。
前回の合宿を経て1ヵ月。 わずか1ヵ月ですが、とても長く感じました。
※ 合宿の様子はこちら passionate-po.hatenablog.com
今回のテーマは「委ね、受け取る」
ファシリテーションというと「引っ張る、巻き込む」というイメージが強いかもしれません。 一方でそんな押し付けの場ではなく、参加者の承認欲求や学びを満たす意味でもとても重要な視点だなと私は感じました。
アイスブレイクと導入
まずはアイスブレイクで「システムゲーム」というワーク。 詳しくは書きませんが、全員が全員に影響をしているということを実感できるワークでした。
特に人数が多い組織、階層が深い組織だと「社長のビジョンが一般課員まで届かない」「俺は関係ないとなりがち」と行った課題がどこでもあると思います。 このワークを例えば500人で大きな体育館でやるのもなかなか感動的な展開が待っていそうな可能性を感じました。
そしてチェックイン。 チェックインとは今の気持ちを一言二言で共有するというものですが、この日は「入口(今)の気持ちと出口(解散時)の気持ちはどうなっていたいか」というものでした。
ここで印象的だったのが
「実は気持ちは作れる。コントロールできる」
というものでした。 これがこの1日の伏線になるのですが、よく感情のままに怒ったり、泣いたり、笑ったりと感情に振り回される様をよく見ますし、頭に血が上るという経験もあります。 そのため、感情はコントロール不可なものと感じてしまいますし、私もそう思っていました。
ただ、宣言したり、アウトプットしてみることで感情がコントロールできるとのこと。 ある意味で"ありたい自分をイメージした自己暗示"なのかもしれません。
確かに感情が湧き出る理由は「こうでなくてはならない!なぜこうならないのか!」という何か決まった型にハマらないパターンが出てきた時の一種のアラートでありエラーメッセージだとすると、その型を取っ払ってしまったり、再定義してしまえば、いいのかもしれないという実感がありました。
現に、スポーツ選手は自分の良い時イメージを膨らませて、望む言わば自己暗示をしている人が大変多いと思います。 同じように私たちも自己暗示することでありたい自分に近づけるのかもしれません。
ありのままとは何か
さて、今回の「委ね、受け取る」というテーマ。 委ねる、受け取る対象は何か。それは「自然体でありのままを受け取る」という視点が今回の具体的な内容でした。
そこで紹介された言葉が2つ。
- 一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしつうぶっしょう)
- 春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえて冷しかりけり
これは仏教用語ではあるものの私なりに受け取ったのは「生きとし生けるものの自然体とはどういうものか」という問いでした。
よく、「自然体になりましょう」という言葉があります。 ただ、それは"深呼吸をして落ち着きましょう"の言い換えでしかないことが多いのかなと感じていますし、この時点の私はまだあまりピンときていなかったのも事実です。
そして、これがファシリテーションとどう関わるのか。 これはかなり高次元の話だと思いますが、場を読み、場を感じるためにはファシリテーター自身が感じれること。いわゆる感度を上げておくためにも必要なのだと思っています。
ホモ・サピエンスはなぜネアンデルタール人に勝てたのか
我々はネアンデルタール人に勝利したことで繁栄したホモ・サピエンスです。 なぜ勝てたのか。ネアンデルタール人にできなくて、ホモ・サピエンスにできることがあったからです。
それは、
- イメージをすること(妄想、虚構、想像)
- チームで生きること(ネアンデルタール人は家族までの人数でしか生きられなかった)
だったそうです。
※ 参考
つまり、我々は上記の2つを有効活用しないと人としての能力を発揮できていないというわけであり、強い言い方をすると人でないということです。
なので、「チームである」ということは理論でどうこういう前に人間であることの証明でもあるのです。
ありのままを生きるために
さて、人類の起源から現代社会に視点を戻してみましょう。
私たちは「ありのままを"生きる"」というよりも「この時代を"生き抜いている"」という表現が正しいのではないでしょうか?
これは理想と現実の乖離があることが明白で仏教の表現で例えると
- 生き抜く(自分を守る) = 現実 = 此岸
- ありのままを生きる = 夢 = 彼岸
つまり、
此岸・・・危険、不安な状態 → β波(コルチゾール、アドレナリン)が分泌 彼岸・・・安心、安全な状態 → α波(オキシトシン、ドーパミン)が分泌
ということで現実を生き抜くということは「緊張感を持って、気を張って、興奮している状態」。ありのままを生きるということは「落ち着いて、じんわりと味わっている状態」のため、ありのままを生きるということが心地よいのかもしれません。
一方で生き抜くためにはエゴが伴います。エゴとは
- 他者を操作する
- 他者の承認を得ようとする
というものです。 そのエゴとエゴが興奮している状態で正面からぶつかりあうことで疲れてしまうのかなと思いました。
此岸を知るワーク
では、自分の此岸とはどんなものなのか。 それを知るワークとして「六道の認識」というワークをやりました。
「これは6つの陥りやすい状態を理解、認識することで、自分が陥っている状態を客観視するためのワーク」と私は捕えました。 その6つの状態とは
- 地獄・・・
- 「出来事や違い」の「問題や欠落や苦しみ」を見に行く。
- 物事を防衛的・ネガティブに解釈する
自分を責め続ける
餓鬼・・・
- 常に「欠乏感や焦燥感」に基づいて行動する。
「結果や物欲」に、内面や感情が振り回される
畜生・・・
- ルールや常識に逃げ込んで思考停止。「挑戦のない毎日」「被害者の物語」に定住する
オールウインではなく、本能のまま、「弱肉強食」の世界に生息する
修羅・・・
- 「主張、批判、恫喝」で安全を確保する。意のままにならぬ「怒り」に基づいて行動する
「他責」を基準に、他者との「争いや軋轢」を仕掛け続ける
人間(じんかん)・・・
- 「他者評価」に左右される。「反応」のために生きる。人間関係で悩む
- 「老いや病」を苦しみとして、負い目として生きる
- 「死や喪失」への恐怖から反応、行動する。
6.天道・・・ * わかったつもりになる。これでいいやと慢心する * 「地位や名誉といった世間評価」や「自分本位の解釈」を指針にする
といったものです。この中のどれに自分が陥りやすいかということを内省するワークでした。
ちなみに私は「止まったら死んでしまう」というマグロなどの回遊魚的な考えがあり、圧倒的に餓鬼かなと思っています。
ここで感じたのが、とはいえ、悪いことだけでは無いなと。餓鬼である自分がある意味心地よく、別に嫌じゃない。もっというとかっこいいと思っている節はあるのかもしれません。なので、それ自体が悪いのではなく、*そういう状態に陥っていることを認識することが大事なことだと感じました。
また、どれか一つに分類されるというよりもいづれのどれが"パーセンテージとして多いのか"というのが人によって違うのかなと思いました。 そして、それが体験や時期によっても変わるのかなと思いました。
なので、それぞれの違いも大きいものではなく"壁にぶつかった時にどういうアプローチを取るか"という傾向や癖のようなものなのかなと感じました。
五感で感じる。五感で受け取る
次のワークは日常の出来事を五感で受け取る"観照"のワークでした。 これがとても難しいものでした。
- 解釈しない、考えない。
- ありのままをただ感じる
というルールのもと、外に出ていろんな刺激を感じるというもの。
例えば、目に入ってきたものを「家が見えた。白い色が見えた」というのも脳で瞬時に「これは家です。これは白という色です」と処理をしている。 すなわち解釈しているということです。これを極力断ち切るというワークです。
それを視覚だけでなく、聴覚、嗅覚、触覚、味覚も使って行うというものでした。
これをやってみると
- 足の裏、手のひら、肌に何かを感じる
- 耳に何かが飛び込んでくる
など普段だと素通りしていた数々の情報が飛び込んできました。 これは良い悪いではなく、私たちは日常の中で意識的に"何かにフォーカスして、他の感覚をミュート状態にしている"ということです。
裏を返すとフォーカスしたままだとその側面しか見えておらず、1つの視点でしか物事を捉えられていないのかもしれません。 つまり、必要なタイミングでミュートを解除したり、フォーカスを外すスキルが身につくとファシリテーターとしての洞察力や場を読む力が養われるということだと思います。
そして、「人間の脳は1秒間に4000億ビットの情報が降り注いでいるものの受け取れているのは2000ビットだけ」とのことでした。
※ 参考
もしかすると、フォーカスをしてしまっている状態はさらにこの2000ビットを自分で減らしてしまっているのではないでしょうか?
内容と感情を傾聴する
最後に傾聴のワークです。 このワークでは1人がエピソードを語り、他の2人は内容、感情に担当を分担しそれぞれにフォーカスして傾聴するというものでした。 傾聴のテクニックを聞いた上でのぞんだのですが、これも学びが深いものでした。
まず、内容傾聴について。 話す人は考えながら話しているので、脳の中で100%整理できていない状態で話しています。いわばストリーミング状態です。 聞く人は一旦、全てを聞いて、咀嚼しています。つまりまとめて聞いてから脳内で100%整理します。いわば、プログレッシヴダウンロード状態です。
そのため、聞く人からのフィードバックを得て、新たな気づきが生まれると感じました。
次に感情傾聴。 感情は何よりも話す姿勢にも現れます。例えば、ネガティブな話や自信がないときはうつむき気味だったり、声のトーンが低かったり。 一方で自信があったり、確信がある場合は背筋が伸びて声量も大きく、目線もまっすぐだったり。
これは自分がファシリテーターとして臨む時にも気をつけたほうがいいかなと思いました。 それと同時に見透かされる恐怖を感じました。
これは「共感しているのか?観察しているのか?」という違いのようです。 これは大きな違いで、共感してもらっている状態は、「認めてもらっている」「伝わっている」という安心安全な状態。 観察されている状態は「監視されている」「見透かされている」という意味で恐怖を感じ、距離を取ってしまいます。
ファシリテーターは共感をしても観察をしていることを表に出さないことが大事なのだと思います。
また、感情傾聴には落とし穴があります。 それは相手との心理的距離感です。
「内容を伝えたいのに、そこまで見透かされるのは不快だ」 「お前に何がわかる」
といった感じで相手との心理的距離感に応じてスキルのレベルを変える必要があるというのが実践時のポイントのようです。
感じたこと
今回は「委ね、受け取る」というテーマでしたが、委ねる対象は相手というよりももっと広い存在、"自然に委ねる"というものだったと思います。 ただ単純なテクニックは色々あると思います。一方で、表層的なテクニックだけでは見透かされてしまったり、そのテクニックが通用しないタイミングでは使い物にならないということになってしまいます。 そのため、自然に身を委ねて、場の状況を感じる、場の空気を受け取ることが必要な要素と感じました。 直近では、自分の中でのミュートを自由に解放できるトレーニングをしていこうと思います。実はちょっとドラゴンボールの界王拳の取得に近いワクワク感を感じていますw
赤いピルと青いピル
今日はこちらのイベントに参加しました。
日経さんとnoteでおなじみのピースオブケークさんのイベント
簡潔に言うと
「アウトプットファーストしましょう!」
「ブログのハードルは低いよ!」
というのを実体験を元に徳力さんが面白くお話いただいた感じです。
私としては、質を追求する中でハードルがまた上がって来たブログを書くことに対するふりかえりと新たな視点でケツを叩いてもらうことを目的として行ってみたのですが…
その中で、久々に「赤いピルと青いピル」の話が出て来ました。
「ブログは赤いピルだ」
という結論だったわけですが…
ちょっと色々思うことがあったので。
そもそものお話
出典はみんなご存知こちら。
モーフィアスのセリフでこんなものがあります。
モーフィアス「これは最後のチャンスだ。先に進めば、もう戻れない。青い薬を飲めば、お話は終わる。君はベッドで目を覚ます。好きなようにすればいい。赤い薬を飲めば、君は不思議の国にとどまり、私がウサギの穴の奥底を見せてあげよう」
どういうことかというと…
君は分岐点に立っている。このまま突き進むかやめるのか
ということです。
このようなタイミングって実は毎日触れているのではないかなと。
自分の行動指針はどう決めていうのか
人間は1日に9000回の決断をしている。
と言われています。
最近はここから決断疲れというものがあるようですが…。
私はこの決断の中にも重みがあると思ってます。
「今日食べるものをカレーパンにするかアンパンにするか。」
人によっては死活問題かもしれませんが、私はこれだけで命に関わることではないよなと思ってます。
一方で
今日のこの仕事、どう進めるか。
このサービス、どちらに進めるか。
プロダクト開発だと
「ペルソナに従って…」
「ユーザーの求めるものに…」
という指針があると思います。
一方、自分の人生はどうでしょう?
その時の視点として、私の中では
「赤いピルと青いピル」の話を思い出すと、成長に繋がるのかなと思いました。
何か行動をする時に、
「これは自分の成長に繋がるのか。新しい世界へ行けるのか」
という視点は大事なのかなと再認識しました。
アウトプットしようぜ!っていうイベントで全然ずれた気づきでしたが、また一つ、赤いピルを飲むことができたのかなと思いました。
「ミーティングのデザイン」読了
ファシリ塾の合宿を終え、ファシリテーションに対しての引き出しを増やすべく、今回はこちらを読みました。
ミーティングのデザイン エンジニア、デザイナー、マネージャーが知っておくべき会議設計・運営ガイド
- 作者: ケビン・M・ホフマン,安藤貴子
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2018/09/25
- メディア: 単行本
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この本は導入から実践さらにはメンタルモデルといったレベルによらない奥行きのある内容でした。 前半は理論と実践するための方法が想像しやすい表現で記載され、後半では、一般的な合意形成としてのミーティングや顧客とのミーティング、アイディア出し、問題点発見などあらゆるシーンを想定した幅のある内容です。
著者について
著者はこのかた。
ケビン・M・ホフマンさんはインフォメーションアーキテクト、デザインストラテジストとして、「人々が共有する時間を適切にデザインする」という観点から質の高いミーティングが効果的なデザインには必要と考えているそうです。 彼自身も数々のウェブ、アプリデザインプロジェクトのミーティングでファシリテーターを務め、世界各地で講演をしている方です。
全体構成
全体の構成は先に述べた通りの2部構成。
- 第1部:ミーティングデザインの理論と実践
- 第2部:デザインされたミーティング
という構成になっています。 バランスとしては第1部のページ数が多く基礎編という印象。第2部は事例をもとにした実践のための具体的な方法(アジェンダの例や内容など)の印象です。 そのため、順番通りに読み進めていくことをオススメします。
この手の書籍は「どうせ、当たり前のことが書いてあるんでしょ?」というものが多いかもしれません。 この本はむしろかなり踏み込んだことまで書いてあり、かといって難しくない。 初心者でも上級者でも深く学べる書籍だと感じました。
印象に残った内容
この本の序盤にこんな言葉があります。
「自分の仕事がこれほどまでにミーティングの出来不出来に左右されるとは思いもよらなかった」
どうでしょう?思い当たる節がある方も多いのではないでしょうか? ミーティングというものは形は違えど、ほぼ全員が経験があるもので、その出来に関しても何かしらを思うはずです。
しかし、それは何故なのか?改善できないことだと諦めていいことなのか? これを改善するあらゆる方法も本書に書いてあります。
「押しの強い人たちがその場を牛耳り、もの静かな人たちの有望なアイデアは無視される。」
これにも多くの方が頷きつつ、どうしたら良いのかわからない方も多いと思います。
そんなことを思っていると毎週の会議に対する気が重くなり、いつしか興味の方向が外れ、隠れて携帯をいじりだすなんて光景が想像できるのではないでしょうか? 見つめ返すべきは
「どうしてこの会議は定期的に開かれるのか」 「目的を果たしているのか」
そんなことも書いてあります。
では、そのようなミーティングを作らないためにどうすればいいのか。 それに対して言及している一節を紹介します。
「優れたプレゼンターと並みの(あるいは下手な)プレゼンターを分けるのは、掲示する情報を均一かつ吸収しやすい量に小分けにしているかどうかである。」
どうでしょう?はじめに全てを説明してから議論に望むこと、多くないですか? そして、「あれ?最初に言ってたことなんだっけ?」となってしまうこと、ないですか?
結論として
「 アイデアが「脳に吸収されやすい」よう工夫し、出席者が持つ多様な「聞く」「学ぶ」「表現する」能力を上手く活かせば、質の高いミーティングが増える。」
つまり、聴覚に対して大きな塊をひたすらぶつけることをやめて、「聴覚と視覚」、「聴覚と触覚」に訴えかけると人間の脳はよく理解するようです。
詳しくは本書の中で確認してみてください。
最後に
この本は前述のような人間の脳や、場の特性をもとにした理論を多く教えてくれます。 読むだけで自身の中での納得感は多く生まれていくと思います。
一方で、後半にある実践ほうほうを自分がやってみること。それこそがこの本から得たものを身に定着させることになると思います。
ぜひ、手に取ってみることをお勧めします。
ミーティングのデザイン エンジニア、デザイナー、マネージャーが知っておくべき会議設計・運営ガイド
- 作者: ケビン・M・ホフマン,安藤貴子
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2018/09/25
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ファシリテーション塾 実践コースの合宿に行ってきました。
3/2~3はファシリテーション塾 14期実践コースの合宿に行ってきました。 ファシリテーション塾についてはこちら。
14機に申し込んで夏に向けていろいろ学ばせていただくわけですが、 そのキックオフとなる合宿という位置付けです。
このファシリテーション塾に行く動機については過去エントリーでまとめてます。
場所は山梨県の甲府市。都会の喧騒から離れたとても静かな場所でした。
参加者は11名と講師、スタッフの方々。 まずはチェックインとして今の気持ちを一人一人共有することから始まり、早速1つ目のセッションに入りました。
問い:相手を"感じる"とは何だろうか
まず最初のセッションではオープンセンテンスという手法で1 on 1の対話をしました。 このオープンセンテンスの特徴は聞く側の聞き方が明示されていることでした。 4つの問いそれぞれに対して、聞く側のスタイルが指定されています。
テーマは
- 私が子供の頃、好きだった場所は・・・
- 私が好きでたまらないものは・・・
- 私が今感謝したいのは・・・
- 私は今あなたと・・・
ということで、聞き方も
「自然に相手の話を受け入れる」→「内容ではなく、話しているその人にフォーカスを当てて聞く」→「リフレクティブリスニング」 と、相手を尊重し、受け取り、信じるということをやりました。
合宿の構成は基本的に、「セッション」→「ふりかえり」という構成で各セッションからの学びを自ら気づける構成となっており、 その時間も十分に取られており、深く自分と対話できるような場が用意されていました。
私の気づき
私の中の薄っぺらい感覚の中でまず思っていたのは「相づち」や「リアクション」といった小手先の手法を学ぶ場なのかと思っていました。 「ああこれね」と感じていたのが事実です。しかし、進んで行く中で心の底から相手に気持ちを向けること、気持ちを受け取ることに集中することで、相手が何を言っていても「この人は素敵な人だな」「この人はこう言うことが好きなんだな」と温かい気持ちで心を向けることができました。
そしてここでのディスカッションで上がっていた言葉が「相手をどれだけ感じれるか」と言う部分でした。 その中で
- 1 on 1時は「向かい合うこと」と「斜めに座って話すこと」どちらが本来の安心安全につながるのか
- エネルギーはどこに向かうのか
- SympathyとEmpathyの違い
※詳しくは長くなるので聞いてくれたら解説します。
など序盤からフルスロットルの熱い議論が生まれていました。 そこを眺めたり、参加している中で私の中で生まれた問いが「"感じる"とは何だろうか」と言うものでした。
どうしても論理的に説明することや具現化することにフォーカスしてしまう自分にとって「センス」や「感覚」といったものが自分の中でしっくりくる体験が少なく、なんとなくフワフワした状態で捉えていたので、"感じる"と言うものとは縁遠かったような気がします。
そんなこんなでお昼のカレーを食べるのですが・・・
テーマ:多様性に触れる
午後のセッションはまず、ゴールイメージが共有されました。 実践コースはすでに14回目を迎えていることで毎回テーマが変わります。 今回は
「ファシリテーターはいかなる時も"安心・安全"にする」
というテーマです。
「安心・安全」とはなんでしょう。 どうしても日常をスクラムマスター的な視点で見ているを「心理的安全性」と言う言葉が浮かんできます。 そんな時に思いつくのは
などが思いつきます。 最終的に合宿を終えて思ったのはこれらは表面的なものであり、真髄ではないと感じているのですが、 そのきっかけとなったのが2つの言葉でした。
- 「涅槃寂静」・・・心の奥には静けさがあり、それが幸せである
- 「観自在菩薩」。。。見方を色々変えてみよう
心の奥の静けさ。皆さん感じていますか? 今、これを読んでるあなた。私とつながっているということは、毎日セコセコ動いてるでしょ?w
私もそうです。
そしてこの話の流れで毎度おなじみ、「マズローの欲求五段階説」の解説をしていただきました。 これは価値観ババ抜きのワークショップでもよく私自身がお話しするやつですね。
ただ、私はとても恥ずかしかった。 すごく理解が浅かった。
- 承認欲求には他者承認と自者商人がある。
- 欠乏動機が満たされて、成長動機がある
- 人間はネガティブなので、危険が起きると①フリーズ②反撃③逃避のいずれかを行う。それが欠乏動機に深く関わる
などなど。 ※詳しくは長くなるので聞いてくれたら解説します。
私の気づき
このセッションで「安心・安全」というテーマが出てきました。 私の中に生まれた問いは
「安心・安全」って誰が決めるのか? というものです。おそらく、場に存在する全員でしょう。 つまり、参加者はもちろんのこと、ファシリテーター自身も「安心・安全」と言えるか。
もっというと場の全員が個性を持ったことなった人間なわけで、一人たりとも同じではないでしょう。 そんな場を「安心・安全」にするとはどういうことか。
私の中で答えは出ませんでした。 しかし、一つだけわかったことは
「場の性質、空気、雰囲気を理解する必要があるだろう」ということ。 つまり、そのためにはあらゆる個性に触れること、
「多様性に触れる」ことで私の中での視座の引き出しが増えるのかなと思い、
この後行われた2日間のゴールに関しては
「多様性に触れる」
としました。
問い:なぜ今ここにいるのか
次のセッションはビジョンクエストというセッションでした。
具体的には視野を広げて、1時間半、自由に外をさまよい、自然に触れる。そして、自分と深く対話し、戻ってきたところでマイストーリーを語るというものでした。 そのマイストーリーのテーマが「なぜ今ここにいるのか」というものでした。
私としてはこの問い、すごく馴染みがありました。 そう、プロジェクトを立ち上げる時にファシっているインセプションデッキの1つめ。
「我々はなぜここにいるのか」
です。
※ インセプションデッキについてはこちら
そんなこともあり、ファシリテーション塾に申し込んだタイミングでブログで自分に向き合っていました。 ただ、結論としてはその時と大きく違うものになりました。
私のマイストーリー
このビジョンクエスト。まず私が何をしたか。
私の中で最初に生まれた問いが
「 "ここ"ってなんだろう」
というものです。
これは
"場所"を指しているのか。 "ポジション"を指しているのか "時間"を指しているのか
考えるたびに深みにはまっている感覚です。 そこで、まずは何も考えずに歩いてみました。きっと、そこで惹かれたものに意味があるのだろうと。
まず私が立ち止まったのが「広くひらけた景色が一望でき、街を俯瞰できる場所」でした。 なぜここに立ち止まったのか。
私は昔から「自分には洞察力があるのかな」と思うことが多々ありました。 具体的には高校3年生。東海大学相模高校吹奏楽部43期部長の頃から。
部長になってまず最初に自分の中で決めていたのは「150人の部員全員と話そう。異変に気づけるようにしよう」 というものでした。ひたすら相手を観察し、異変を察知し声をかける。 この点に驚かれたこともありました。
そして現在。 エンジニアでありながら、アジャイル、スクラム、カイゼン・ジャーニーに興味を惹かれるのもそういったところからかもしれません。 異変を察知し、課題を見つける。また、笑顔や些細なウキウキ感を見抜くことが得意だからマネジメントに興味を持っているのかもしれません。
一方で、見えてしまうが故に行動せざるを得ないのも事実です。 嬉しいことに
- チェンジエージェント
- ハンガーフライトをする人
- 情熱的
- ベンチャー資質
などよく言われます。これはもしかすると本質的には洞察力。見えにくいものが見えてしまうが故に動かずにいられないことからきているのかもしれません。 ふと思うと、そういった状況から、「型や理論」より「まずは行動してみよう」と考えてしまいます。 そして保、方法論に興味が持てない。回り道をしてでも結果が全て。頭より足。と考えてしまうのでしょう。
とすると、考えるより、その場を見て臨機応変に変えていくことが必要だし、そのスキルを身に付けたいと考えがいくのも必然かもしれません。
と、そのあたりで、立ち上がってまた歩き出して見ました。
次に目についたのは「木々が立ち並ぶ森」でした。 木々は一本一本全く別々で同じものがありません。見た目だけですでに。
人はどうでしょう?
見た目どころか中身も異なります。その掛け算分の個性があります。 だからこそ、その場に応じた動き方が必要で、それはファシリテーター自身にも当てはまるかと思います。
つまり、ファシリテーター自身にも得意なことがあり、その色を出せばいい。 私の場合は「場を見て、場を変幻自裁に変えていく」「場に合わせて内容やテーマすら変えていく」ことができるのかなと思います。
そのためにはやはり人を理解する。引き出しを増やすこと。 それには体系立った裏付けが必要だと気付きました。
そう、自分が今まで避けて来た方法論を学ぶということで説得力を増すことです。 そうして、みんなのHappyな場を作りたいとこの1時間半で思いました。
そんなストーリーを話し、皆さんの認知承認をいただきました。
それは * 行動、事実に対するフィードバック * 存在の認知承認 * 可能性、信頼に対するフィードフォワード
でした。
初めて感覚を理解した夜
そして夕食を経て夜も老け・・・ 夜のセッションです。
小高い山の上ということもあり、真っ暗。広場には電灯すらありません。 そんなところに連れて行かれ、渡されたのはアイマスク。 これから何をするのだろう。電波少年のようにTプロデューサーに拉致されるのだろうか・・・。
その通りでした。 若かりし日の有吉さんのようにみんな目隠しをし、次々と離れたところまで連れて行かれ、座らされたと思ったら、遠のく足音・・・。
そう、暗闇に放置されたのです。
ただ、これは罰ゲームでもなく、普段人間が頼りきっている視覚をたち、静寂の中でただ感性を磨く。 そんな意図が含まれていました。
目を閉じるとどうでしょう。 普段は気にかけないような音や風が肌に触れている感覚を味わい、不思議なことに聴覚が研ぎ澄まされ、遠くの音もより鮮明になり、 見えてないはずなのに立体で脳の中になんとなくの位置関係が見えて来ました。
よく少年漫画で目をやられた主人公が聴覚だけで敵を倒すような様子が思い浮かび、なぜか笑えて来ました。
そんなことが頭の中で渦巻きました。 そう、なぜか目を閉じると「自分の頭の中がうるさい」。3つのことを同時に考えていた気がします。 「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」という映画も思いました。
そして、お迎えが来ました。 誘導されるがままに座ると、誰かと背中合わせ。 そして、誰かと手をつなぎました。
「これがあなたのチームです。これから声でコミュニケーションを取ってください。」
ここで声を発して自分以外の3人のチームメンバーと初めての対話。 そう、これから半年間1つのワークショップを共に作るチームがここで結成されました。
それからは目隠しをしたまま、
「立ってみようか?」 「向き合ってみようか?」 「以外に手が大きい!」 「手が冷たい」
など、聴覚→触覚を普段は発揮しないほど最大限活用していました。 そうすると・・・
「なんか見えないけど見えて来た」 「そっちの方向に誰かいて、ビニールを畳んでる・・・今その人ビクッとした!」
と感覚が研ぎ澄まされたことを実感する、第六感のようなものを感じました。 こうして、我々のチームが結成されました。
懇親会、そして、懇親会
そのあとは懇親会と部屋での二次会。 床についたのは深夜2時半を回ったところ。
この間も
「場ってなんだろう」 「本当の自然体ってどんな状態だろう」 「人間のエゴや個性ってなんだろう」
といった考えることから解き放たれた感覚の世界。そのさきの自然体というものをみんなで探求するようなはないをしていた気がします。
問い:人であることの意味って・・・。
2日目が始まりました。 まずは1日目の振り返りと今日の目標。 私は昨晩の議論もあり、絶対的な問いが生まれていました。
「人である意味ってなんだろう・・・(機械じゃなく、気持ちを持つことって?)」
というものです。 「究極、感覚に全てを委ねてしがらみから解放された自然な状態が全員に来れば、エゴはなくなり、みんな安心・安全なのでは?」 ただ、人間には感情や承認欲求、エゴがある。
うーん・・・難しい課題です。
そこからはチームでのワーク。
- 昨日のふりかえりか
- 私たちはなぜチームになったのか
- このチームで作りたい雰囲気は?
などチームでの時間を深め、自分たちは何に導かれたのかを深めました。
その時のファシグラの内容がこちら
不思議なことに言葉でアウトプットする間にも
「なんとなくこんな感じだよね・・・」 「わかるわかる!」
みたいな感じで4人の意識が共有され、同じ方向を見て、同じ気持ちになれていることが実感できました。 わずか1日ちょっとでこの境地に達したのは初めての経験でいまだに驚いています。
ボディーストーミング
次のワークはボディーストーミング。 3分間の寸劇で表すというものでした。
私たちのチームは圧倒的に昨晩の"感覚"という共通の経験があったので、それをどう表すか。 そして、目指すべき雰囲気、それは
「気づかせる」「気づいてもらう」ではなく、自ら「気づく」環境。
それを表すにはどうしたら良いか。 そこで私が思い出したのがこちら。
ご存知の方も多いと思います。フォロワーの重要性が語られる動画ですね。
これが我々のチームの目指す雰囲気にとても近いのではないかと。
一人の男が踊っているだけだとただの変な人になってしまう。 そこに勇気あるフォロワーがつき、大きなムーブメントが起こる。 無理に巻き込むこともせず、自然に集まる様子。
そこに昨晩、私たちを導いた聴覚、触覚。 言葉を一切使わず、自然にチーム以外の全員が一緒になって踊り出す雰囲気を作ることができました。
最後に。全てのふりかえり。
本当の最後の最後は合宿の収穫をふりかえりました。 ここでは私の全文を公開。
①合宿はどんな体験だったか
自分の中の感覚を研ぎ澄ます機会になった。 自分の中の無意識を意識する機会になった。 手法や方法以上に時間を共有する、同じ時間を共に過ごすことを最大限に生かし、チームが形成される感覚を覚えた。 今までは「自分を見つめ直す = 思い出してふりかえる」と思っていたものが、身体的に五感を見つめ直すことで、 今まで「心・技」にしか向き合えなかったところに「体」が加わったと自信を持てて言える結果だった。
②どんな学び、気づきがあったか。どんな成果だったか。
自然な状態、感覚というものを感じれた気がする。 今までは何事も言語や絵でアウトプットすることを大切にしてきたが、体で表現すること、感覚に訴えかけることを学んだ。 そして、「理想」とする自然な状態はあるが、人間には「気持ち」がある。 人間だもの。時には気持ちに振ってみたり、エゴが出たり、情がこもってしまっていいと思う。 人間は不完全だからこそ愛おしい。不完全の美があると感じた。
③学びや気づきはどう生きていくか。どう活かしていくか。成果はどのように人生に生きていくか
いろんな考えや価値観を持っている人々の場を作る。そのためのチームビルディングには内側での繋がりが重要で必要だと感じた。 最大限人間臭く、バラバラの個性を認知承認する、そんな覚悟ができた。
④誰にどんな感謝を伝えたいか。自分にどんな感謝を伝えたいか。
唯一休みが買わなる日曜日に合宿に送り出してくれた嫁。 存在を教えてくれて、メンターをしてくれるガオリュウさん 一緒に深掘りし、共通の体験ができた14期の仲間。 自分がまっすぐ純粋であれたこと、気づきを多く得られた自分に感謝。
まとめ終えた今思うこと。
とても貴重な経験でした。 何よりも、「感覚」を感じられたこと。そして、深い問いを常に持ち続けられる環境とそれを共に探求できる仲間に出会えたことが衝撃でした。 そして、この仲間と毎月会えること、共により深いところへ飛び込んでいけることが楽しみな自分がいます。 この先に何が待っているのか。小手先のテクニックや頭だけの理論だけの今までの自分がいかに薄っぺらいものだったか。 本当の体験を経験することで強くなるということを実感し、これからも心の奥から場によりそう、 視座を柔軟に変えていけるようなファシリテーターになれたらいいなと思いました。
かけがえのない時間を共に過ごせた仲間に感謝し、このエントリーを終えたいと思います。
PMP学習記録 ~1日目~
さて、自分の学んだことの要点をまとめていこうと思います。
ぜひ、マサカリを投げたり、教えてくださると助かります!
今回の要点
- プロジェクト = 生成される成果物に独自性があり、有期的な業務
- 長い、短いは関係ない
- プロジェクトマネジメント = 5つのプロセス群を適切に進めること
- 5つのプロセス = 立ち上げ、計画、実行、監視コントロール、終結
- プログラム = プロジェクトの集合体
- 単一のプロジェクトでは高い成果があげられない場合に使う
- ポートフォリオ = プログラムよりもさらに高い位置にある
- ポートフォリオ > プログラム > プロジェクト
- プロジェクトライフサイクル = 工程のつながり
- pmbokの中で唯一時間を表している
- 4つの工程で構成
- その中を5つのプロセス群が構成
- 各工程の最後にはフェーズゲートがある
- フェーズゲート = プロジェクトのパフォーマンス、進捗、ベネフィットを確認する。フェーズの最後の方
- フェーズゲート =プロジェクトの継続、終了の管理ポイント
- このタイミングでプロジェクトを終了することもある。
- 別名 フェーズレビュー、中止点、キルポイント
# 感じたこと、疑問点
"俺の"インターンシップ ~全員の満足度満点をもらった方法を大公開!~
みなさん、インターンの季節ですね。 エンジニア採用というとイメージしやすいのが「中途採用」だと思います。 ただ、長期的なチームの成長や次の世代につなぐために、「新卒採用」も重要です。
今回、そんな4日間のインターンシップについて全権委任してもらったので、どんなことをやったのかをまとめていこうと思います。 このエントリーがどこかでうちの会社が気になっている学生さんに届けばいいなとも思ってます。
ビジョンとコンセプト
今回は4Days インターンシップということで対象が大学3年生と大学院1年生でした。 実はこの前に1 Dayのインターンシップを実施していて、その際の振り返りで上がった言葉をもとにコンセプトを決めました。
その言葉とは
「普段は一人でコードを書く授業はあるんですけどチームで開発したことがなくて・・・」
ということでコンセプトとしては
「チームでモノづくりをやってみる!」
としました。
というのも、実際社会人になってからはチームでの開発がほとんど、いやほぼ全てなので、 このギャップを埋めることでうちに入らなくても、
- 学生さん:チームでの働き方、チームでコードを書くことのポイントを学ぶ
- メンター:チームで働くことを教える時の勘所を学ぶ
という意味で両者に学びがあるな・・・と感じました。
また、今回のインターンシップでは、前述の通り、
どこの会社に就職しようが、タメになることを楽しく学んでもらう。そして、楽しさからうちを好きになってもらう
というビジョンとしました。
全体テーマ
内容としては、程よいレベルでありながら、自由度が高いものにしたいとおもいました。 そのため、
- html + css + JavaScript + 映像系の外部APIを使って、オリジナルサービスを作ってみよう!
というものにしました。 参加は3名、期間は4日間です。
4日間ということで、誰かがフルフルでつくのは難しいこともあり、メンターは交代で参加することを前提としました。 そして、こういった経験が少ない若いメンバーをメンターとすることにしました。
また、4日間の学びが目に見えることで、4日間の成長がわかる方法を考えました。 そのため、あらゆるアウトプットをホワイトボードにペタペタと貼っていくことでいつでも成長を実感できるようにしました。
カリキュラムと準備
全体カリキュラムは
- 1日目:チームビルディングと要件定義
- 2日目:Git + Github講座、開発開始
- 3日目:開発
- 4日目:開発、発表、振り返り
としました。 また、全体的にスクラムを擬似的に学んでもらうためにの仕組みを1日目に実施しました。 また、全体を1時間スプリントで区切り、メンターはそのタイミングごとに交代しました。
そのため、事前準備としては、
を用意して、手が詰まった時も何かしらのヒントになるようなものを作りました。
そして、各人にPCを用意し、Git、Souce Tree、VS Codeをインストールした状態としました。
Day 1
さて、1日目ですが、みんな初対面ということでガチガチです。 この状況を時ほどすこと、またチームとして動けるようになってもらうことを目的としてまずは
- 全体説明
を行いました。ここで大事にしたのはコンセプトの共有です。
- 「これからこのメンバーがチームになるんだ」
- 「仲良くしないと」
などそれぞれにチームとして動くことを意識してもらいました。 一方で
- 「初対面だし話しづらいな・・・」
- 「どういう経験があるんだろ?」
- 「どういう人なんだろ?」
と不安も生まれてきます。そのため、得意技の・・・
- 価値観ババ抜き
を実施しました。そうして楽しみながらお互いを知った後に
- マシュマロチャレンジ
を行い、初めての共同作業を実施してもらいました。 ここで一旦ストップ!
振り返りの時間です。
今回の振り返りは
- Fun!Done!Learn!
で行いました。 具体的には休憩のたびにここまでのカリキュラムに対してのふりかえりを行い、 それを4日間蓄積しました。 これにより、4日間で思ったことや成長をインターン生、メンターともに感じることができます。
次にプロジェクトについて考えました。
- APIを使って何がやりたいかを決める
このタイミングで、APIの説明を行い、付箋を使ってやりたいことを洗い出し、みんなでテーマを決めました。 次に、
- プロダクト名、だれがHappyになるのか、現在の代替手段、期待される効果
を擦りあわせました。これはインセプションデッキや仮説キャンバスを参考にしました。
※ インセプションデッキについてはこちら passionate-po.hatenablog.com
※ 仮説キャンバスについてはこちら
そしてこのイメージをより深めるために
- ユーザーストーリーマッピング
を実施しました。これにより、顧客目線でプロダクトを考えます。 あとでふりかえりの中で上がったのが
「今まで、顧客がいない状態での開発だったので、顧客目線で考えることの大切さを学べてよかった」
という言葉でした。これは、とても嬉しいフィードバックでした。
※ ユーザーストーリーマッピングについてはこちら
この日の最後は
- プロダクトバックログを作る
というものです。具体的にはユーザーストーリーをIssueに落とし込み、優先順位をつけるというイメージです。 これにより、現実の自分達がやりたいことがより鮮明にできました。
ここまでで、初日は終了です。
これにより、チームビルディング~作りたいものをIssueに落とし込むものまでが完了しました。
Day2 ~ 3
ここからはチームのメンバーにメンターを任せました。 具体的には、
という感じです。
今回のインターン生は、機械学習や画像解析など、PythonやC#などを使った授業が多いようでした。 時代を感じますね。
ですが、Web系の言語はほぼ初めてということで、なかなか難航していましたが、楽しんで学んでいたと思います。
それぞれの日程で休憩ごとにFun!Done!Learn!を実施しているので、それぞれの感じていることが手に取るようにわかりました。
Day 4
最終日は発表準備として、パワーポイントでの資料作成と最後の仕上げを行ってもらいました。
なんとこの頃にはお互いを敬語を使わず話していたり、冗談を言い合ったりとかなり仲の良い様子。 それぞれの得意なことも見えているようでうまく分担をしていました。
メンターのメンバーも
「発表までに一区切りさせる」 「達成感を持ってもらう」
ことを意識してもらうことを伝えました。 そのために良いペース配分で進めてくれました。
発表には人事も加わり、緊張しているようでしたが、とても良い成果が生まれました! そして、最後のふりかえりを実施しました。
その後、アンケートを実施しました。 このアンケートの設問は
(1) この4日間で成長できた!と思うことは? (2) 4日間で気持ちが上がったことは?下がったことは?(理由を含めて) (3) これから伸ばしたいこと、新しく始めたいことは? (4) 今回のインターンに対する感想は?さらに聞きたいことは? (5) 今回の総合評価は?(1~5で)
というものにしました。 意図としては
- 「自身の成長のふりかえり、これから」
- 「インターンのふりかえり、これから」
がわかる設問としました。
そしてクライマックスは
- インターン生同士の360度感謝
を行い、照れながらもお互いに対する感謝を言い合うことで締めくくりました。
最後にホワイトボードに残ったアウトプットはこちら
Fun!Done!Learn!の結果はこちら
私の学び
インターンシップというと
- 企業が学生を評価する場
- 学生が企業を評価する場
と捉える方もいるかもしれません。
確かにその側面があるかもしれません。 ただ、それだけを目的に行うインターンシップに学びや楽しさはあるのでしょうか?
ましてや、インターン生、メンター共に、貴重な時間を使っているわけです。 そんな中で、お互いもしくはどちらかが"やらされている感"を持っているとどうでしょう? いうまでもありませんよね。
これは新人教育にも言えることです。 新人教育についても以前お話しさせていただいたので、参考にしていただければ幸いです。
www.slideshare.net
また、教育という観点だけでなく、継続してメンタリングすることも大事です。
というわけで、もしエンジニア、それ以外にかかわらずお悩みの方の参考になればと思います。 また、ぜひお話させてください。お力になれればと思います。