"俺の"インターンシップ ~全員の満足度満点をもらった方法を大公開!~
みなさん、インターンの季節ですね。 エンジニア採用というとイメージしやすいのが「中途採用」だと思います。 ただ、長期的なチームの成長や次の世代につなぐために、「新卒採用」も重要です。
今回、そんな4日間のインターンシップについて全権委任してもらったので、どんなことをやったのかをまとめていこうと思います。 このエントリーがどこかでうちの会社が気になっている学生さんに届けばいいなとも思ってます。
ビジョンとコンセプト
今回は4Days インターンシップということで対象が大学3年生と大学院1年生でした。 実はこの前に1 Dayのインターンシップを実施していて、その際の振り返りで上がった言葉をもとにコンセプトを決めました。
その言葉とは
「普段は一人でコードを書く授業はあるんですけどチームで開発したことがなくて・・・」
ということでコンセプトとしては
「チームでモノづくりをやってみる!」
としました。
というのも、実際社会人になってからはチームでの開発がほとんど、いやほぼ全てなので、 このギャップを埋めることでうちに入らなくても、
- 学生さん:チームでの働き方、チームでコードを書くことのポイントを学ぶ
- メンター:チームで働くことを教える時の勘所を学ぶ
という意味で両者に学びがあるな・・・と感じました。
また、今回のインターンシップでは、前述の通り、
どこの会社に就職しようが、タメになることを楽しく学んでもらう。そして、楽しさからうちを好きになってもらう
というビジョンとしました。
全体テーマ
内容としては、程よいレベルでありながら、自由度が高いものにしたいとおもいました。 そのため、
- html + css + JavaScript + 映像系の外部APIを使って、オリジナルサービスを作ってみよう!
というものにしました。 参加は3名、期間は4日間です。
4日間ということで、誰かがフルフルでつくのは難しいこともあり、メンターは交代で参加することを前提としました。 そして、こういった経験が少ない若いメンバーをメンターとすることにしました。
また、4日間の学びが目に見えることで、4日間の成長がわかる方法を考えました。 そのため、あらゆるアウトプットをホワイトボードにペタペタと貼っていくことでいつでも成長を実感できるようにしました。
カリキュラムと準備
全体カリキュラムは
- 1日目:チームビルディングと要件定義
- 2日目:Git + Github講座、開発開始
- 3日目:開発
- 4日目:開発、発表、振り返り
としました。 また、全体的にスクラムを擬似的に学んでもらうためにの仕組みを1日目に実施しました。 また、全体を1時間スプリントで区切り、メンターはそのタイミングごとに交代しました。
そのため、事前準備としては、
を用意して、手が詰まった時も何かしらのヒントになるようなものを作りました。
そして、各人にPCを用意し、Git、Souce Tree、VS Codeをインストールした状態としました。
Day 1
さて、1日目ですが、みんな初対面ということでガチガチです。 この状況を時ほどすこと、またチームとして動けるようになってもらうことを目的としてまずは
- 全体説明
を行いました。ここで大事にしたのはコンセプトの共有です。
- 「これからこのメンバーがチームになるんだ」
- 「仲良くしないと」
などそれぞれにチームとして動くことを意識してもらいました。 一方で
- 「初対面だし話しづらいな・・・」
- 「どういう経験があるんだろ?」
- 「どういう人なんだろ?」
と不安も生まれてきます。そのため、得意技の・・・
- 価値観ババ抜き
を実施しました。そうして楽しみながらお互いを知った後に
- マシュマロチャレンジ
を行い、初めての共同作業を実施してもらいました。 ここで一旦ストップ!
振り返りの時間です。
今回の振り返りは
- Fun!Done!Learn!
で行いました。 具体的には休憩のたびにここまでのカリキュラムに対してのふりかえりを行い、 それを4日間蓄積しました。 これにより、4日間で思ったことや成長をインターン生、メンターともに感じることができます。
次にプロジェクトについて考えました。
- APIを使って何がやりたいかを決める
このタイミングで、APIの説明を行い、付箋を使ってやりたいことを洗い出し、みんなでテーマを決めました。 次に、
- プロダクト名、だれがHappyになるのか、現在の代替手段、期待される効果
を擦りあわせました。これはインセプションデッキや仮説キャンバスを参考にしました。
※ インセプションデッキについてはこちら passionate-po.hatenablog.com
※ 仮説キャンバスについてはこちら
そしてこのイメージをより深めるために
- ユーザーストーリーマッピング
を実施しました。これにより、顧客目線でプロダクトを考えます。 あとでふりかえりの中で上がったのが
「今まで、顧客がいない状態での開発だったので、顧客目線で考えることの大切さを学べてよかった」
という言葉でした。これは、とても嬉しいフィードバックでした。
※ ユーザーストーリーマッピングについてはこちら
この日の最後は
- プロダクトバックログを作る
というものです。具体的にはユーザーストーリーをIssueに落とし込み、優先順位をつけるというイメージです。 これにより、現実の自分達がやりたいことがより鮮明にできました。
ここまでで、初日は終了です。
これにより、チームビルディング~作りたいものをIssueに落とし込むものまでが完了しました。
Day2 ~ 3
ここからはチームのメンバーにメンターを任せました。 具体的には、
という感じです。
今回のインターン生は、機械学習や画像解析など、PythonやC#などを使った授業が多いようでした。 時代を感じますね。
ですが、Web系の言語はほぼ初めてということで、なかなか難航していましたが、楽しんで学んでいたと思います。
それぞれの日程で休憩ごとにFun!Done!Learn!を実施しているので、それぞれの感じていることが手に取るようにわかりました。
Day 4
最終日は発表準備として、パワーポイントでの資料作成と最後の仕上げを行ってもらいました。
なんとこの頃にはお互いを敬語を使わず話していたり、冗談を言い合ったりとかなり仲の良い様子。 それぞれの得意なことも見えているようでうまく分担をしていました。
メンターのメンバーも
「発表までに一区切りさせる」 「達成感を持ってもらう」
ことを意識してもらうことを伝えました。 そのために良いペース配分で進めてくれました。
発表には人事も加わり、緊張しているようでしたが、とても良い成果が生まれました! そして、最後のふりかえりを実施しました。
その後、アンケートを実施しました。 このアンケートの設問は
(1) この4日間で成長できた!と思うことは? (2) 4日間で気持ちが上がったことは?下がったことは?(理由を含めて) (3) これから伸ばしたいこと、新しく始めたいことは? (4) 今回のインターンに対する感想は?さらに聞きたいことは? (5) 今回の総合評価は?(1~5で)
というものにしました。 意図としては
- 「自身の成長のふりかえり、これから」
- 「インターンのふりかえり、これから」
がわかる設問としました。
そしてクライマックスは
- インターン生同士の360度感謝
を行い、照れながらもお互いに対する感謝を言い合うことで締めくくりました。
最後にホワイトボードに残ったアウトプットはこちら
Fun!Done!Learn!の結果はこちら
私の学び
インターンシップというと
- 企業が学生を評価する場
- 学生が企業を評価する場
と捉える方もいるかもしれません。
確かにその側面があるかもしれません。 ただ、それだけを目的に行うインターンシップに学びや楽しさはあるのでしょうか?
ましてや、インターン生、メンター共に、貴重な時間を使っているわけです。 そんな中で、お互いもしくはどちらかが"やらされている感"を持っているとどうでしょう? いうまでもありませんよね。
これは新人教育にも言えることです。 新人教育についても以前お話しさせていただいたので、参考にしていただければ幸いです。
www.slideshare.net
また、教育という観点だけでなく、継続してメンタリングすることも大事です。
というわけで、もしエンジニア、それ以外にかかわらずお悩みの方の参考になればと思います。 また、ぜひお話させてください。お力になれればと思います。