心の火種を燃やし続ける ~ルフィに学ぶ仲間の作り方~
先週、7月8日。 こんなイベントが行われました。
瀬谷ルミ子さんの基調講演も印象に残るこのイベント、基調講演終了後は全編がOpen Space Technology(以後、OST)で行われるイベントでした。
そんなイベントで私も「モチベーションって何?」というテーマでオーナーをさせていただきました。
その中の対話でも少し触れられたのが、
- どうやって巻き込む?
- どうやってモチベーションを上げてもらう?
- そもそもモチベーションが低いことって悪いこと?
といった点がありました。
今日は、そんな対話を受けて、私が実践している「仲間の作り方」について触れて行こうと思います。
全ての火種は自分にある
まず、人の行動原理に触れていこうと思います。
私は価値観ババ抜きインストラクター研修でこんなことを教わりました。
行動は以下の3津から構成されている
好きなこと
- 得意なこと
- 価値観
いつもなら、この中の価値観に触れるところですが、今日は「好きなこと」に触れていこうと思います。
「好きなこと」とはイメージの通り、趣味趣向です。なので、誰に否定されることでもなく、根拠があるもの、直感的に心地が良いものなどもあります。
自ずと好きなものには惹かれ、そこに対して気持ちが高まると思います。 私はこれを心に火種ができている状態と思っています。
一説では「人間の脳は1秒間に4000億ビットの情報が降り注いでいるものの受け取れているのは2000ビットだけ」と言われており、 その2000ビットについても瞬間的に「好き/嫌い」「正しい/違う」など自分の物差しで判断をしています。
つまり、「なんか面白そう」「なんか楽しそう」と思っている段階で、降り注ぐ4000億ビットの中で厳選された2000ビットからさらに厳選された情報となります。
私が思うにこの「直感」こそ、心の火種が生まれる瞬間で、偶然ではなく、信じてもいい「自身の判断」だと思います。
なので、まず私が一人で物事を始める際はこの直感を信じて行動しています。
火種を大きくする
こうして生まれた火種はまだ小さいものです。 選ばれた情報とはいえ、まだ根拠はなく、いわゆる「なんとなく良さそう」という状態です。
ここからまずは自分の中で火種を大きくする作業をします。
具体的には自分の中でWhyを唱えます。
- なぜそれが良いと思ったのか?
- 今までの自分の成功体験とリンクするのでは?
- Outcomeはなんだろう?
といったようにWhyという酸素を火種に与えていきます。 とはいえ、時間が経つと情熱の火は萎んでいってしまいます。
なので、この作業はアイディアが思いついたら1日以内に行うようにしています。
そして、この段階では深く考えすぎないようにもしています。 なぜなら、私の情熱の火が燃えている間に巻き込みたいので、速度を重視しています。
イメージとしては5分でWhyを自信持って語れるくらいまでといったところでしょうか。
火花を散らす。火の粉を撒き散らす
だいたい5分で自信をもって語れるようになったら、周りにOutputしてみます。 その方法は場合によりますが、
- SNSでつぶやいてみる
- 頭に浮かんだ人に話してみる
- 一人でやってみる
といったところです。
ただ、一つだけ気にしていることがあります。
それは派手に火花を散らすこと。 つまり、共感してくれそうなセグメントに派手にばらまくことです。
これにより、共感してくれる人が現れるのを待ちます。
燃え移った火種を探す。育てる
このような動きをしていると「面白そうだね!」「話を聞かせて!」と燃え移った人から声をかけてきてくれます。
ちなみに誰も共感してくれなそうだったら、もう一度自分の火種を育て直すか、一旦置いておきます。
そして、燃え移った人は積極的に巻き込みます。特に、自分にないものを多く持ってる人が仲間になってくれると、 自分一人の限界を超えられるので、そういった方が現れることで私の火種もさらに大きくなります。
裏を返すと、燃えない人は放っておきます。 巻き込みたい全員を初めから巻き込むつもりはありません。
これは諦めでもなんでもなく、「いずれ仲間になってくれるだろう」という意味で焦らないということです。
人の心を動かすことが一朝一夕でできるわけがなく、じわじわと浸透していけばきっとこちらを向いてくれるという自信の裏返しかもしれません。
チームの中でもキャズムはあり、イノベーター、アーリーアダプターから巻き込んでいけば良いと思ってます。
どちらかというと1人で育ててきた火種を、共感してくれた人と一緒にさらに大きくすることに努めます。 ここまできたらチームが始動します。
チームの炎を灯し続ける
先述の通り、情熱の火は時間と共に萎んでしまいます。
一人の時と同様に燃えているうちにアクションを起こすことが重要です。 なのでまずは早く集まるようにします。
そして、集まったら、冒頭で自分の情熱を語るようにします。
そのため、集まるまでに15分語れるように自分の中でのWhyをさらに深めます。
そして、大事なのは自分の思いを情熱を持って語ることだと思います。 それと同時に矛盾やまだわかってないことはありのまま伝えるます。
- 「ここわからないから一緒に考えてほしい!」
- 「ここ苦手!助けて!」
といった具合で何も偽らず、まっすぐに伝えます。 ある意味、このチームにおいての期待値のすり合わせを行なっているのかもしれません。
そして話しながら、相手のリアクションで情熱の温度を計る。
この時の場の雰囲気、目の奥の力、表情などを見て、その場の一人一人の火種の大きさを理解するように努めます。
そして、一人の限界を越えるために信頼してとことん権限移譲をしていきます。
それぞれに参画してもらうことで、使命感を持って情熱の炎をさらに大きくしていきます。
ただし、絶対に譲らないこともあります。
それは"思いを語ること"と"ビジョンを作ること"です。
酸素を送り続ける
繰り返しになりますが、情熱の火は放っておくとどんどん小さくなってしまいます。 特にタスクをとって、それぞれが進めようというモチベーションがあっても忙しさやタスク難易度によっては放置気味になり、自ずと萎んでいきます。
そうならないように
- 定期的にpingを打つこと
- 巻き取ること
も重要ですが、最も重要だと思うのは
- ビジョンをより深めて伝え続けること
だと思っています。
具体的には権限委譲により、空いた自分のスペースでさらなるアイデア、次のアイデアを考えたり、ビジョンを深めます。 そして、何かあった時に即判断できる準備をすることが重要かつ、チームを導く上で大切なことだと感じています。
さらには小さな成功に対して、感謝と労いの気持ちを忘れないこと、しっかり伝えることも大事です。
これにより「次からも一緒にやりたい仲間」が生まれると私は考えます。
まとめ
というわけで私の日頃実践している仲間の作り方を紹介してきました。 これは正解がある話でもなければ、それぞれに合ったやり方があると思います。
とはいえ、仲間を作ることでよく思い出すのが「北風と太陽」の話です。
もしも今仲間づくりに苦労している方がこれを読んでくれているならば、一つだけお伝えしたいのは
"〇〇をさせる" という考えを"〇〇する"という考えに変えると苦しさから少し解放されるのでは?
と思います。
このようなチームビルディングの話や場の作り方みたいなところを直近でこういったイベントでお話しします。 ご興味ありましたら、ぜひお越しください。
- 7/17 #AgileJapan「東3-3 ぼくらのひみつきち」 LT(https://note.mu/hiroki_hachisuka/n/n89ec49ecfb93)
- 7/30 #sdevtalks「オーダーメイドチームビルディング〜選球眼と勝負球(仮)」(https://s-dev-talks.connpass.com/event/136190/ )
おまけ ~参考にしているリーダーシップ~
と、ここまで私の思う仲間の作り方を語ってきたわけですが、僕の中で目指しているロールモデルがあります。
それはワンピースの主人公、モンキー・D・ルフィ です。
特に注目しているのは
- 一貫したビジョンと自信
- 各人の目標を尊重した上でチームとしては同じ方向を示す
- 言葉ではなく、心の本質を見抜く
- いつも明るい。ポジティブ
- 自分ができないことはできないと認める
- 全ての行動に偽りがない
といったところでしょうか。
改めて、いつかルフィのような偽りのないリーダーシップを発揮できるように日々精進していこうと思いました。
ジェネラリストの成長術
世の中、「働き方改革」や「人生100年時代」という言葉が働いている人だけでなく、全国民に知れ渡るような時代になりました。 このような言葉が世に広まることになったのはこの本の影響も大きいかもしれません。
- 作者: リンダグラットン,アンドリュースコット,池村千秋
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2016/10/21
- メディア: 単行本
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有名な書籍なので一度はタイトルを耳にしたことや書店で目に入ったことがあるかもしれません。 ちなみに著者のリンダ・グラットン氏はもう1冊こんな本も書いています。
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
- 作者: リンダ・グラットン,池村千秋
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2012/07/28
- メディア: ハードカバー
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この本では
「2025年には"広く浅い知識や技能を蓄える"ジェネラリストは通用しなくなる」と言っています。
どうでしょう? この言葉にドキッっとしたり、思わず姿勢を正した方もいるのではないでしょうか?
ただ、私が思うにジェネラリスト自体には悪いことではないと思いますし、一種の才能です。 なんでもある程度は器用にできてしまうというそれもまた誇れることです。
では、来たる2025年をジェネラリストがどう成長して迎えるべきかを私なりの感覚で紐解いていこうと思います。
コンプレックスから始まるジェネラリストへの道
ジェネラリストとよく対比される言葉に"スペシャリスト"という言葉があります。 この言葉のイメージは、
- 特定の仕事の分野に特化して作業を行う人
- 一芸に秀でた人
- 職人、専門職
- この分野はこの人に聞け!
と言ったものではないでしょうか? ともするとそのコミュニティーやチームにおいての"(特定の分野において)一番知識や技術がある人 "がそう呼ばれていることが多い気がします。
つまり、裏を返すとスペシャリストは「1つのコミュニティー、チームにおいて各分野で一番の人」ということが多い気がします。
では、各チームやコミュニティーにおいて、必ずしも自分が一番である分野が見つかるでしょうか? 本当はあるんだと思います。ただ、必要とされる技術や知識においては必ずしも"全員が「私はxxのスペシャリストと自負すること」は難しいと思います。
これは一種の負い目であったり、コンプレックスと言い換えることができるかもしれません。
ただ、これはジェネラリストが生まれる予兆とも言えると思ってます。
Coverage & Fill the gaps
自分はスペシャリストとしての知識や技術がまだ足りないと感じた時にどういう行動をするでしょう? 私が思うにジェネラリストに共通するのは
「自分にできることはなんでもやりますよ!」
という姿勢と行動だと思います。 具体的にはこんな感じでしょうか。
このチームで仕事を進めていくと・・・
ということが起こり、
ということが多い気がします。
これを仮に"Fill the gaps"と定義します。
はじめのうちはこれでいいと思います。 というのも、このような隙間が見えてくるのは
"チームが組成され、各々のスペシャリストの守備範囲がわかってきた頃" に見えてくる問題だからです。
その段階ではジェネラリストはまだ忙しくありません。 なんなら、そのGapが見えてからでないと埋められないので、そこからが出番です。
ジェネラリストの仕事分類
では、ジェネラリストがカバーする仕事内容はどんなものがあるでしょうか? これは前述の通り、そのチームにどんなスペシャリストがいるかにもよりますが、 例えば・・・
- 社内との調整役
- 会議の日程調整
- 契約書の作成、チェック
- 営業のフォロー
- 問い合わせ対応
- チームのコンディション管理
- 緊急時の増員要員
などなど、色々あると思います。
ただし、お気づきでしょうか?この仕事は2つの分類に大別できます。
- みんながやりたがらない、誰でもできること
- その分野のスペシャリストがいないからカバーしていること
ここがジェネラリストの成長に置ける重要なポイントです。
というのも、「なんでもやります!」からスタートしているので、 この2つの仕事が来ることは当然です。そして、ジェネラリスト自身も全然苦じゃないパターンが多いです。
ただし、問題はこの先にあります。
「ジェネラリストは忙しそう」問題はなぜ起こるのか
ジェネラリストの仕事はスペシャリストの仕事とは異なって「見えづらい」または「気づきずらい」ことも含んでいます。 というのはスペシャリストは「この分野はこの人!」とわかっているので、やっていること=得意なことという意味でその仕事量も見えやすいのに対し、 ジェネラリストは「それ以外全部!」というと
- そもそも全体量が見えずらい
- 得意じゃない、やったことがないこともやっているから作業時間の見積もりが立てづらい
ということで「なんかわからないけど忙しそう」という状況が生まれてしまいます。
そして、一方で「いつの間にかある分野のスペシャリストになっていることに誰も気づきません」
ここでジェネラリストの仕事分類をもう一度見てみましょう。
- みんながやりたがらない、誰でもできること
- その分野のスペシャリストがいないからカバーしていること
そうです。後者をやっているうちにいつの間にかその分野のスペシャリストになっているのです。
「いやいや、世の中的にはもっと得意な人いるだろうよ」という言葉もあると思います。 では、スペシャリストはどんな人がなりがちかを見直してみましょう。
そうです。このチームにおけるスペシャリストはそもそも"このチームで一番"ということしかわかっていないのです。 つまり、すでにスペシャリストとしてチームで働いている人も外の世界のものさしでは図られていないのです。
ジェネラリストが忙しくなる理由はもう一つあります。
前述の通り、すでに何かしらのスペシャリストになっているがゆえに他のチームや他の業務からもその分野を頼まれます。 当然のことですよね?
ただ、スペシャリストとジェネラリストには大きなメンタルモデルの違いがあります。 それは「自分がスペシャリストではない」というコンプレックスです。
それがある行動につながります。
「なんでもやります!」
自分が忙しくても受けてしまいがちになるのです。 そして、忙しさがまた忙しさを呼ぶのです。
つまりこういうことです。
ジェネラリストの成長危機
このような状態になってしまうとどうでしょう? ジェネラリストはただただ、仕事が増えていく一方です。
ですが、厄介なのは「なんでもやります!」の精神と「自分はスペシャリストではない」というコンプレックスです。 つまり、この状態に陥っているジェネラリストは"自分ももうスペシャリストなんだ"ということを自覚するべきです。
そして次に起こる問題が時間管理です。
「なんでもやります!」を続けてしまうと、1日の限られた時間で収まらなくなります。 そうするとどうなるでしょう?
こうなりますよね?
では、限られた時間で「なんでもやります!」を続けると・・・
ただの雑用です。いいように使われている状態といってもいいかもしれません。 そして、自分の分野が確立できていないので、成長の幅も小さくなってしまいます。
なので、
こうしたいはずです。
しかし、世の中そんなに甘くありません。 「誰でもできる仕事」は大抵「大事な仕事」です。やめられないものも多くあります。
さて困りました。
ジェネラリストの成長の鍵
一定数ある「誰でもできる仕事」。これをどうするか。 実に単純な話ですが、「他の人に任せてしまいましょう」
なぜなら、こうなっている時点でもうスペシャリストです。 ということはこのチームにいる人はみんなスペシャリストになっているということです。
つまり、誰か一人が背負うことはないのです。みんなで少しずつ分け合えばいいのです。
しかし、ここにもそれを妨げる要因があります。 それは・・・
「ジェネラリストは器用である」
ということです。
ある分野で100点は取れないとしても、それぞれの分野で平均点は取れる人だからこそ、 "自分でやったほうが早い"という事態に陥りがちです。
そして、任せてみて失敗されてしまうと「やっぱり自分がやったほうが・・・」とまた巻き取ってしまいます。 それは一種の優しさかもしれません。
ただ、振り返ってみましょう。
自分でやってしまうことでその仕事は片付くかもしれません。 ただ、成長のために使う時間が著しく減っています。
ジェネラリストが見せる優しさがジェネラリスト自身の成長を妨げています。
つまり、ジェネラリストの成長の鍵は「信じて任せる」ということなのです。
ジェネラリストは連続スペシャリストへ
最後にもう一度、書籍「WORK SHIFT」に触れてみましょう。 この本は「2025年にジェネラリストは通用しなくなる」と言って見放しているわけでありません。 その続きとして、「ジェネラリストは連続スペシャリストになることが必要」と言っています。
つまり、それはここまで述べてきた
- 「なんでもやります」から「自分にしかできないことを見つける」
を何度も何度もサイクルとして回すことで、得られる道だと私は思います。
ジェネラリストは大抵がなんでも無難にできる器用な人です。 だからこそ、「信じて任せる」ことで自身の成長の鍵をつかむことが必要だと思います。
偉そうに述べてきましたが、実は、私自身の置かれている状態が今こんな状態かなと思っています。 だからこそ、自分に言い聞かせるとともに同じ境遇の方の参考になればと思います。
チームビルディング研修を行いました。
春は出会いの季節ですね。
新年度になり、部署の再編成や配置転換、新入社員の入社など、新たな仲間と出会う季節です。 新たなチームを形成する機会や必要性が高まるのも必然だと思います。
そんな折、部署の新卒入社向けの研修依頼があり、 それを聞きつけた他部署からも「うちの新人にも・・・」
さらには、「新人以外も参加して良いか?」
という問合せがあり、25名に対して8時間の研修を行いました。
季節柄、そんな以来や機会があり「何をしよっかな」と迷ってる方々もいると思うので、 このエントリーで私がどんな準備をし、何を行なったのかシェアしたいと思います。
考えたこと、準備
まず、今回は新卒社員向けを考えていたので基本的にはそれぞれの心と対話する時間にフォーカスしようと思いました。 というのも私の中での新卒教育にはある程度思いがありまして・・・。
※ 詳しくはこちら
www.slideshare.net
ですが、開催2営業日前(月曜開催なので、前の週の木曜日)に参加者リストをもらったところ・・・
「なにー!!半分が新卒じゃない!!?(・_・;?」
という感じでした。 もともと「チームビルディング研修」と銘打っていたことから、「新卒以外もいいですよー」といったものの半分が新卒以外。 それもベテランもいる。
どうやら部署再編に伴う本部長のチェンジにより、その本部長(私をよく知る)の要望で「是非とも参加してくれ」とのことだったみたいです。
まずここで、どんなことが期待されているのか、どんな姿勢かを改めて整理しました。
- 新卒社員 : これから仕事をしていく上での考え方、礎となる知識、モチベーション、困った時に相談できるパス作り
- 先輩社員:今までの常識の打破、初心に帰って学ぶ、ありきたりな座学では満足できない、「よくある研修だろ?」と斜に構えている
と考えた時に
- 年次やキャリアに関係なく普段忘れてしまっている感覚に気づける。そして、先輩社員は日常で、新卒社員はこれからぶつかるであろう壁へのリアルな対応
といった点を主軸にすることにしました。
全体尺は7~8時間。この1日の中で一貫した"チームビルディング"というテーマに対する変化を加えることも考え、手札となる自分の知識や経験からワークを考えました。 そして、ただ楽しいだけのワークでは先輩社員の目は誤魔化せません。 ということで、ワークの背景にある考え方や心理を伝える時間も随所に設定しました。
ただそれだけでは一方的なInputの1日になってしまいます。 そのため、随所で気づきの共有や振り返りの時間(今回はFun/Done/Learnを採用)を設けることでそれぞれの内省の時間を取ることとしました。
当日準備時の心理
まず、当日はいわゆる"コの字型"の配置とし、前にホワイトボードを置き、リアクションや雰囲気を見て必要そうな情報を与えるスタイルにしました。 というのも、場の状態や参加者の知識量に応じて柔軟に対応するためには事前に用意した資料以外の情報を引き出しから引っ張り出す必要もあり、そのようなホワイトボードを主軸としたスタイルにしました。
まずやったことはホワイトボードに
""好きな"ところに座ってください(前から順番じゃなくてOK)"
としました。 これにも意図を込めています。
"コの字型"の配置の後ろにも机が数列あり、参加者がどこに座るのか("コの字"の中か、はたまた後ろか)によって参加者の開始前のモチベーションを測りたかったという意図があります。 また、接触的に前方に座る参加者がどんな人かを把握することで、"場の空気を作る"上での仲間を見定めたかったという意図もあります。
自己紹介とコンセプト、ゴールの説明
そして、まずは私のバックボーンや今日のコンセプトを説明しました。 自己紹介の中で強調したことがいくつかあります。
- 社内外で「映像業界をチームで働く業界にしたい」といって活動している → 所在の明確化
- 外部でファシリテーションを学んでいる。ワークショップを行なっている → 経験の明確化
- 新卒入社の生え抜き → 立場の明確化
です。これにより
- 経験が浅い若造のやること (どうせ当たり前のことをやるんだろ)
- 自分たちと違う世界から来た人のやること (だから、自分たちには無理)
- なんでこんなことするのかよくわからん。暇人なのか?
という先入観を最初の自己紹介で払拭することができました。
そして、何よりフランクな表情や口調で笑いを取りながら
「今日はお堅い研修ではなさそうだぞ?」
という期待を生み出すことに努めました。
次にゴール、コンセプト、進め方の共有です。 ゴールは"チームってなんだろうを自分なりに考えられること"としました。 そのため、
- 「僕が答えを持っているわけではありません。教えることもしません。自分で考えるヒントを与える立場です」
というお話をしました。
進め方に関しては、チームを考える上で
- 1人 → 3人 → 5人
という形で人数を増やしながらチームというものを実感してもらえるような構成にし、全体で繋がりのある内容としました。
集団の中の個人に気づくワーク
午前は"1人"にフォーカスしました。 具体的にはアイスブレイクも兼ねて"コの字"の真ん中で システムゲーム をすることから始めました。
ワーク1:システムゲーム(等間隔)
- 全員立ち上がり円になる
- 誰にも言わずにターゲットを2人決める
- 「スタート」の合図で止まらないように動き回る
- 動き回るときにターゲットの2人それぞれと"常に等間隔の距離である状態を保つ"
- 「ストップ」の合図で全員その場に止まる
- 等間隔であるかを確認する
これにより、
- 一人一人のそれぞれが影響し合っていること
- 自分の動きが知らないうちに影響を与えていること
- 影響ばかり考えていると物事は自然に停滞をしてしまっていくこと
などを可視化できます。
ワーク2:システムゲーム(一人の影響)
次にさらに一人一人が絵どう影響しているかを可視化するワークをやりました。
- 全員立ち上がり円になる
- 誰にも言わずにターゲットを2人決める
- 「スタート」の合図で止まらないように動き回る
- 動き回るときにターゲットの2人それぞれと"常に等間隔の距離である状態を保つ"
- ファシリテーターが"1人だけ"の肩をたたく
- 叩かれた人は5秒経過したらその場にしゃがみこんで停止する
- 他の参加者はターゲットのいづれかがしゃがんだのを確認したら、5秒後にその場にしゃがみこんで停止する
これが不思議なことに(ほとんどの確率で)1人しか肩を叩かないのに最終的には全員がしゃがんでいるという状態ができます。
これにより、先ほどの気づきに加えて、
- どんなに大きな組織でも1人の影響が全体に影響する
ということがわかります。
では、これをそれぞれのチーム、部署、組織、業界、はたまた世界に当てはめるとどうでしょうか? 自ずと答えは見えてくるはずです。
と、ここまでで一人一人の影響力を可視化するワークをやって来ました。 一人一人の影響力が大きいということは行動だけではなく、発言や表情も同じです。
我々は一人で完結できる仕事は少なく、何かしらのコミュニケーション、特に対話を行なっている場合が多くあります。 この対話においても自分のふとした行動が予期しない影響を与えています。 次はそんな状態を可視化するワークをしました。
ワーク3:動きの伝言ゲーム
- 全員が縦一列に並び、前を向く
- 一番後ろの人の肩をファシリテーターが叩く
- 肩を叩かれたら振り向く
- ファシリテーターが動きを伝える(今回は2回やり、野球の動きの回とかき氷の回をやりました)
- 動きを理解したら、受け取った人が次の人の肩をたたく
- 次の人が振り向く
- これを最後まで繰り返す
これがかなり盛り上がります! 明らかに動きがうまく伝わらなくなって来て最後にはめちゃくちゃなものになっています。
面白いのが自信がなさそうに首を傾げながら伝えるとそれも動きの一部と捉えてつ当てられてしまいます。
これにより、
- 情報を伝える時の正確さ
- 自信や表情は自分が思っている以上に相手に伝わっている
- 頭で理解して、修正をしてもそれが答えとは限らない
- 受ける側、伝える側の経験によっても伝わる粒度が違う
- 複雑な内容はだんだんと削ぎ落とされていくのでシンプルに伝える
ということの重要性が可視化されました。 これで午前中は終了です。
3人対話を深める
午前中は影響力と伝え方の重要性を体感してもらいました。 次に行ったのはより具体的な対話を掘り下げることです。
まずは3人チームを作ります。
参加者はみんな大人なので自由にスカウトしてもらうことにしました。 ここまで自己紹介は行なっていませんが、
- 各ふりかえりの発言が面白い人
- 話したことない人
を軸に自由に3人組を作ってもらいました。
3人組ではまず、アイスブレイクのワークをしました。
ワーク4:アイスブレイク
[ルール] * みんなが均等に話す(一人が話しすぎたり、話さなすぎたりしない) * 話が終わったら拍手 * 相手が話しているときは聞くことに集中する(自分の話すことを考えない) * 相手を急かさない
これらのルールのもと、
- 「まんざらでもない話」
- 「実は私・・・」
という話を30秒めどにぐるぐる回す。
これには明確な意図があります。
※ 均等に話すことと心理的安全性の因果関係はここから来ています。
そして3人のチームが温まったところで対話について深めるワークをしました。
ワーク5:対話のワーク(内容と感情)
- Aさんが1分間ストーリーテリングをする(今回は「子供の頃好きだった場所」について)
- この時にBさんは「内容について」、Cさんは「話している人の感情」にフォーカスして聞く
- Bさんから"内容について"正確に伝える
- Cさんから"感情について"正確に伝える
- 役割をローテーション
これにより
- 内容を正確に伝えてもらうことによってAさんの承認欲求に気づく
- 感情を伝えてもらうことによって自分の気づかなかった感情に気づく
- 自分が思っている以上に仕草や目線で感情が伝わっていることに気づく
という意図があります。 次に、心理的安全性の側面から
ワーク6:対話のワーク(感情と向き合う)
- ファシリテーターがA~Cさんを順番に呼びミッションを伝える(Aさん:感情むき出しでストーリテリング、Bさん:全力で肯定、Cさん:全力で否定)
- Aさんが1分間ストーリーテリングをする(今回は「私の嫌いなもの」について)
- Bさんから感想を伝える(全て肯定)
- Cさんから感想を伝える(全て否定)
- 日常に置き換えて、感想をディスカッション
午後のメインテーマはこちらのワークでした。
- 自分は普段どんな状態だろうか?
- 普段こんな会議はないだろうか?
などの側面からディスカッションを進めてもらいました。
そこで上がったのが
- AさんはBさんのような人がいると心地よくて話しやすい
- ただ、上っ面の肯定だと逆に嫌だし、それが見抜けてしまう
- CさんがいるとAさんは萎縮してしまう。
- Cさんは内容だけでなくAさんの人格も否定してしまいそうになる
- ただ、Cさんは話を聞いてるからこそ反論できる。そういう存在はありがたい
というものでした。
議論の途中に新キャラクターとして"無関心で何も言わないDさん"という登場人物を増やしてディスカッションを進めてもらいました。
- 一番いっぱいいる
- 自分も場合によってはそうなりがち
- Dさんは議論の速度についていけなくなって話せないだけかもしれない
- 意図的に黙っているDさんもいる
- どちらにせよ、Aさんからしたらどう思っているかわからないから一番不安
- Aさんだったら、Dさんがどう思うか意図的に聞いたほうがいい
- その上でDさんの立場を明確にすることが必要
- ただ、DさんはAさんを不安にさせないためにも何かしら伝える努力は必要そう
といった形でかなり建設的なやりとりができました。
この2つのワークで
- チームの中でどんな立場でどんなことをするときも相手のことを考え流ことが大切
- どの立場が良い悪いというよりも今の自分がどういう傾向かを把握することが大切
といった気づきが参加者の中で生まれました。
5人のワーク(価値観と向き合うこと、チームで仕事を進めること)
3人に続いて、5人のチームづくりも各人のスカウト方式にしました。 もうここまで来るとみんな慣れたものです。
5人でのアイスブレイクは
ワーク7:見えない共通点探しとチーム名決め
- 全員の目に見えない共通点を探す
- それを元にチーム名を決める
というものです。
これは以前とある5分間のLTで実施してみた際のエントリーがあるので、意図などはこちらにあります。
そして残すは価値観ババ抜き、マシュマロチャレンジです。 これも過去記事に詳しく書いています。
最後は学びのふりかえりを行い、全て終了です。
ファシリテーターとしての感想
今回やっぱり一番気にしたのは「新卒社員からベテランまで幅広い参加者がいる」という点でした。 この全員が満足して帰ってもらうためには
- ある一定以上の根拠のある理論
- 自ら気づけるワークとふりかえりの時間
というところがベースにありました。
一方で、やはり"場"な生き物だなと感じたのは、 それぞれのディスカッションやふりかえりにおいて私自身が感じたことのない気づきも少なくなく、とても楽しく進行できました。
そして、Fun/Done/LearnのFunに
- 「蜂須賀さんかフランクだからやりやすい」
という付箋もあり、影響力のワークをやりながらも私自身の影響ということも再認識できました。
最後に
最初にも書いた通り、この季節、多くの悩める研修担当者の方がいると思います。 是非ご意見やご相談あればディスカッションしたり、必要とあればお手伝いさせていただければと思います。
気軽にご連絡ください。
第3回ファシリ塾実践コースに参加してきました。
昨日(5/11)はファシリテーション塾実践コースの3回目のライブでした。
ファシリテーション塾についてはこちら
今回は令和になって初めてのファシリ塾ということで
「令和~安心への道~」
というテーマでした。
観照術のおさらい
観照術とは前回のファシリテーション塾で取り上げられた世の中の全てのものを"解釈をせず、五感で感じる"という手法。
例えば、
- 工事の音は不快だな・・・
- このりんごは美味しいな
- 何か臭いな
これらは「工事の音という解釈があるから・・・りんごの味を"美味しい"と解釈している・・・ 」といった何かしらの解釈が含まれています。 そんな解釈を伴わずにありのままを受け取るトレーニングです。
改めて外に出てやってみたのですが、これが実に難しい。
実は前述の「工事の音が不快」というのは私自身が言ってしまったもの"THE 解釈"ですね。
ここで一つのアドバイスをいただいて少し内省してみました。
解釈というのは大人になると無意識で行ってしまうもの。
「あそこに見える白い塊は・・・トラックだな(解釈)。トラックだから危ないから近づかないでおこう(動くものという解釈 / ぶつかると危ないという解釈)」
これを無にするのはなかなか難しいです。 これは我々には"経験"にもとずく"記憶"がやがて"知識"となって蓄積されているわけです。
ではこの"経験"、"記憶"、"知識"が備わっていない存在とは・・・どんな存在かというと、
赤ちゃんです。
そこで私の中で赤ちゃんを思い出して、気づきました。
五感のうち中で
- 聴覚
- 嗅覚
- 視覚
は受動的に情報が入ってくるもの。大人になれば"聞き耳をたてる"、"凝視する"などのテクニックが身につくものの、 動物や赤ちゃんはあくまで受動的なものです。
一方で
- 触覚
- 味覚
は手を伸ばしたり、口に入れたりすることで能動的に触れることができる感覚です。 そう、赤ちゃんが何にでも触れたり、なんでも口に入れるのは、能動的に取得できる感覚だからなのではないでしょうか?
そして「これは危険だ」という"経験"、"記憶"、"知識"が備わっていないため、片っ端から能動的に情報を取得し、 そのあと、場合によっては反射的に拒否したり、泣くことがあるのかなと私は思いました。
では、我々の中から欠落し始めている"五感をより一層活用する"ためには赤ちゃんのようになんでも口に入れれば良いのでしょうか? それはあまりに危険すぎますし、ただのヤバいやつになってしまいます。
"感覚"と"解釈"が天秤でバランスが取られているとすれば・・・
赤ちゃんは"感覚"の重みが圧倒的に多く、大人は大小の差はあれど、デフォルトの状態は"解釈"の重みが"感覚"より大きくなっているのではないでしょうか? つまり、大人である我々はその状態を理解した上で、時に必要な場合にそのバランスを均等にしたり、重み付けを変えたりすることができれば、 ファシリテーションの場においても洞察力が高まったり、客観的にものの見方が変わるかもしれません。
縁起手法
我々の日常においてなぜ客観的にものを見る必要があるのか。 現代社会において
という点も絡んできます。
私の中でこのお話で紐づいたのはティール組織などがイメージできます。 ただ一方でどちらの組織であっても、対話に大きく課題があるかもしれません。
具体的には組織の中で階層があることによって、責任感が伴います。 それによってマウンティングする人、自分の意見を通したい人、絶対に折れない人。
そんな人と関わることが日常の中でもあると思います。
そんな時に必要な縁起手法というものを学びました。
具体的には"YES AND"というよく聞く手法で、相手を否定せず、肯定した上でそこに上乗せするという方法です。 これだけ聞くとどこかで触れたことがあるかもしれません。
そして、聞くだけでもイメージが持てると思います。
一方で、実際にやって見るとどうでしょう?私は気をつけるべき点を多く含んでいるのでは?と思っています。
- 否定しない = 忖度していないか?
- 否定をしてあげたほうがいいときは?
- 本当に中身を理解しないでYESといっても説得力が全くない。
そんなところから、深い議論もありました。
例えば、YES ANDを繰り返していくと内容が一つの話にフォーカスして話題の転換が難しいかもしれません。 そして、否定を挟まないと自分の意思が伝えづらいかもしれません。
そんな時にBUTを使いがちですが、YESにも3つのパターンがあるとのこと。
- 我を通さない。無我で Yes する。生命として、我を無我とする。あなたも私も同じ、という自然な気持ち。
- 自我でイエスする。「私もその意見好きだよ!」接点出てくる。自分の自我をむき出しにして接点を決めていくと、息づいた人間同士のチームになる。
- ビジョンがあります、としたときに、ダイアログ・ディスカッション形式にも Yes が使える。
YESの中でも自分の気持ちを込めたYESや素直な肯定としてのYES、方針に揃えるためのYESなどあらゆる方法のYESがあります。
そして、否定をせずとも、
例えば、「川に行きたい!」に対して自分が「海に行きたい!」といった場合、
「川に行きたいってことは?川のどこに気に入っているの?釣りがしたいのなら、海もありだよね!」 であったり、
相手の共通点から否定をせずに選択肢を増やすことで話題を変えたり、相手に不快な気持ちを与えずにYES ANDで話を展開することもできるなと思いました。
この日のワークの残すはチーム活動でした。
今の考えのまとめ
昨日のライブから一番私が感じたのは、 「縁起手法を引き出しとして持っておくこと」、「感覚と解釈のバランスを自身でコントロールできるようになること」
が単純に必要だなと感じました。
一方で、これらはファシリテーターとしての深みを増すための心構えの全てではなく、一つでしかありません。
具体的には
- 強い意志を持ってテンション高く「絶対これがいいと思う!」という相手に対して肯定をした上でボルテージを落として手法としての縁起手法
- 論理的に話しても通じない、むしろそれを毛嫌いする相手に対して、感覚の重みを増やして視座を合わせて対話する
- 複数人の対話が揉めたり、ゴールから遠ざかっている理由を五感で感じて、糸口を見つける
など、 生きる人間同士の場において事前の推測や机上の空論ではわからない、 実際の場における空気の変化やイレギュラーに対してファシリテーターとして広い視野を思って柔軟に対応するためのツールとして有効に活用できると思いました。
ファシリテーションを学んでいると
- 事前の準備で100点を目指す
- 手法などの手札を事前にできるだけ増やす
- ファシリテーターとしての心構えや考え方を身につける
といったことに終始してしまいがちだと思います。 ただ、"場"は生き物です。
つまり、参加する方の
- 体調
- 気分
- 組み合わせによる相性
によっても結果は変わります。
これは正直、いくら事前に考えても100点までは到達しません。
例えば、参加する会議直前の1本の電話でも変わります。
それをどこまで予想できるでしょうか?
これこそ、"柔軟性"や"臨機応変"といったスキルが必要です。
そんな時に観照術や縁起手法により、相手と自分の対話を心の澄んだ状態で行うことができるとファシリテーターとしての深みや落ち着きというものが笑に伴うと思いました。
「デザイン思想」 ✕ プロジェクトマネジメント 〜 経験とパースペクティブからのアプローチ 〜 に参加しました。
本日はこちらに参加しました!
nightflight-copilot.connpass.com
テーマは"デザイン思考"ではなく、"デザイン思想"とのことで、
「ん?なんぞや?」
と思い、申し込みました。 会は"グラフィックレコーダー"の方のグラレコもあり、もはやブログ書かなくてもよくね? とは思いつつ書いてます。
デザイン思想 × プロジェクトマネジメント
登壇者はこの方。
出自はクリエイティブディレクションや、情報設計とのこと。 最近は自身が編集長をしているエクリというメディアで記事を書いていて、大学生や学術的な方々に好まれている。
ABEJAのリブランドを代表の方のインタビューを元に実施。
デザインの定義
最初のデザインはダヴィンチの設計図 そこから辞書に登録され、実行すべきスキームが定義されていった 大林さんの中でしっくりきた定義はこちら
確かにわかりやすい
デザインの歴史
人間が生まれて260年、"人間自身が変わらず環境が変わった"のと同じように"デザインというものは変わらないがデザインされる環境が変わった"
図と地
- 図 = 対象
- 地 = 環境
と捉えたときにデザインは普通は地から考える。環境を考えること = 思想と言えるのでは? パースペクティブ(眼差し)としての思想 = 人によって対象に対する環境の見え方は異なる。
例えば、対象をYes/Noの二分的な見方をする・・・多数決、帰納法(オチのつけ方)
仕事において何のオチをつけるかが大事で、「今このオチはないだろ」という感覚が大事。
さらにそこに向けて「どのようなプロセスを紡ぐか」がクリエイティブなのではないか。
動詞と名詞を分けて考える。
Ex) iPhoneの開発もイノベーションを目指したわけでなく、できたものが後からイノベーションと言われた。
= 名詞の中で動詞が生まれるのではなく、動詞の中で名詞が生まれる。
Ex) やりたいことを見つけなさいと言われて、やりたいことを見つけようとして見つかることはない。
つまり、「イノベーション(名詞)やるぞ!」という時点でイノベーションできてない。 その名詞を目指すことで、他の言葉とがんじがらめになってしまう。
これが前提になると「イノベーション」という言葉ではないものを考え始める。 これが言葉にならない行動そのもの。
大林さんはこれをコンセプトなど上流を考えるときに意識している
このやり方で整理すると口だけではなく、行動で示している人の方が説得力があるということにしっくりくる。
感想
正直思考が哲学的で追いつくのがやっとな感じでしたが、何となくぼやっと輪郭は見えた気がします。 これをプロジェクトマネジメントに結びつけると・・・というワークがあったのですが、これもなかなか深く考えさせられるものでした。
読書感想:WORK STYLE INNOVATION
今回は翔泳社さんのメルマガで見つけたこの本を読んでみました。
WORK STYLE INNOVATION 日立ソリューションズの働き方改革はなぜ成功したか (Shoeisha Digital First)
- 作者: 日立ソリューションズ松本匡孝
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2019/04/10
- メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
- この商品を含むブログを見る
この本は日立ソリューションズさんで行われた数多くの施策がリアルに書かれています。
何と言ってもこの本、サクッと読めます。
私も昨晩1h + 電車移動 1hで読めました。
会社に任命してもらった働き方改革を推進するリーダーとしてあらゆる施策を実施するにあたり、脳内で作戦を練ることができる良い本でした。
GW明けにはメンバーで回し読みしようと思います。
WORK STYLE INNOVATION 日立ソリューションズの働き方改革はなぜ成功したか (Shoeisha Digital First)
- 作者: 日立ソリューションズ松本匡孝
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- 発売日: 2019/04/10
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読書感想:コンセプトのつくりかた 「つくる」を考える方法
数ヶ月前にBacklogのイベントに登壇させていただきました。
その際にお話をお伺って衝撃を受けた玉樹さんの本の感想です。
その本がこちら
- 作者: 玉樹真一郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 8回
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この本はコンセプトの作り方について、どんなビジネス書より簡単に解いています。
第1部では
- コンセプトとは何か
- その作り方は?
などを優しく定義していきます。 それも誰もが「できそう!」「簡単!」と思うほど簡潔なものです。
第2部は
実際に玉樹さんが携わっていた「任天堂でのWii開発」のコンセプトワークに触れていきます。
このコンセプトワークを疑似体験していく中で 自分でコンセプトワークを行う時にどんなことに注意するべきなのか、どんな視点でファシリテーションをしていくべきかなどが学べます。
そして300ページの少し厚めの本ではありながら随所の挿絵やスペースもあり、かなり読みやすくどんどん進んでいく実践書です。
ぜひ、手にとってみてください。
- 作者: 玉樹真一郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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