心の火種を燃やし続ける ~ルフィに学ぶ仲間の作り方~
先週、7月8日。 こんなイベントが行われました。
瀬谷ルミ子さんの基調講演も印象に残るこのイベント、基調講演終了後は全編がOpen Space Technology(以後、OST)で行われるイベントでした。
そんなイベントで私も「モチベーションって何?」というテーマでオーナーをさせていただきました。
その中の対話でも少し触れられたのが、
- どうやって巻き込む?
- どうやってモチベーションを上げてもらう?
- そもそもモチベーションが低いことって悪いこと?
といった点がありました。
今日は、そんな対話を受けて、私が実践している「仲間の作り方」について触れて行こうと思います。
全ての火種は自分にある
まず、人の行動原理に触れていこうと思います。
私は価値観ババ抜きインストラクター研修でこんなことを教わりました。
行動は以下の3津から構成されている
好きなこと
- 得意なこと
- 価値観
いつもなら、この中の価値観に触れるところですが、今日は「好きなこと」に触れていこうと思います。
「好きなこと」とはイメージの通り、趣味趣向です。なので、誰に否定されることでもなく、根拠があるもの、直感的に心地が良いものなどもあります。
自ずと好きなものには惹かれ、そこに対して気持ちが高まると思います。 私はこれを心に火種ができている状態と思っています。
一説では「人間の脳は1秒間に4000億ビットの情報が降り注いでいるものの受け取れているのは2000ビットだけ」と言われており、 その2000ビットについても瞬間的に「好き/嫌い」「正しい/違う」など自分の物差しで判断をしています。
つまり、「なんか面白そう」「なんか楽しそう」と思っている段階で、降り注ぐ4000億ビットの中で厳選された2000ビットからさらに厳選された情報となります。
私が思うにこの「直感」こそ、心の火種が生まれる瞬間で、偶然ではなく、信じてもいい「自身の判断」だと思います。
なので、まず私が一人で物事を始める際はこの直感を信じて行動しています。
火種を大きくする
こうして生まれた火種はまだ小さいものです。 選ばれた情報とはいえ、まだ根拠はなく、いわゆる「なんとなく良さそう」という状態です。
ここからまずは自分の中で火種を大きくする作業をします。
具体的には自分の中でWhyを唱えます。
- なぜそれが良いと思ったのか?
- 今までの自分の成功体験とリンクするのでは?
- Outcomeはなんだろう?
といったようにWhyという酸素を火種に与えていきます。 とはいえ、時間が経つと情熱の火は萎んでいってしまいます。
なので、この作業はアイディアが思いついたら1日以内に行うようにしています。
そして、この段階では深く考えすぎないようにもしています。 なぜなら、私の情熱の火が燃えている間に巻き込みたいので、速度を重視しています。
イメージとしては5分でWhyを自信持って語れるくらいまでといったところでしょうか。
火花を散らす。火の粉を撒き散らす
だいたい5分で自信をもって語れるようになったら、周りにOutputしてみます。 その方法は場合によりますが、
- SNSでつぶやいてみる
- 頭に浮かんだ人に話してみる
- 一人でやってみる
といったところです。
ただ、一つだけ気にしていることがあります。
それは派手に火花を散らすこと。 つまり、共感してくれそうなセグメントに派手にばらまくことです。
これにより、共感してくれる人が現れるのを待ちます。
燃え移った火種を探す。育てる
このような動きをしていると「面白そうだね!」「話を聞かせて!」と燃え移った人から声をかけてきてくれます。
ちなみに誰も共感してくれなそうだったら、もう一度自分の火種を育て直すか、一旦置いておきます。
そして、燃え移った人は積極的に巻き込みます。特に、自分にないものを多く持ってる人が仲間になってくれると、 自分一人の限界を超えられるので、そういった方が現れることで私の火種もさらに大きくなります。
裏を返すと、燃えない人は放っておきます。 巻き込みたい全員を初めから巻き込むつもりはありません。
これは諦めでもなんでもなく、「いずれ仲間になってくれるだろう」という意味で焦らないということです。
人の心を動かすことが一朝一夕でできるわけがなく、じわじわと浸透していけばきっとこちらを向いてくれるという自信の裏返しかもしれません。
チームの中でもキャズムはあり、イノベーター、アーリーアダプターから巻き込んでいけば良いと思ってます。
どちらかというと1人で育ててきた火種を、共感してくれた人と一緒にさらに大きくすることに努めます。 ここまできたらチームが始動します。
チームの炎を灯し続ける
先述の通り、情熱の火は時間と共に萎んでしまいます。
一人の時と同様に燃えているうちにアクションを起こすことが重要です。 なのでまずは早く集まるようにします。
そして、集まったら、冒頭で自分の情熱を語るようにします。
そのため、集まるまでに15分語れるように自分の中でのWhyをさらに深めます。
そして、大事なのは自分の思いを情熱を持って語ることだと思います。 それと同時に矛盾やまだわかってないことはありのまま伝えるます。
- 「ここわからないから一緒に考えてほしい!」
- 「ここ苦手!助けて!」
といった具合で何も偽らず、まっすぐに伝えます。 ある意味、このチームにおいての期待値のすり合わせを行なっているのかもしれません。
そして話しながら、相手のリアクションで情熱の温度を計る。
この時の場の雰囲気、目の奥の力、表情などを見て、その場の一人一人の火種の大きさを理解するように努めます。
そして、一人の限界を越えるために信頼してとことん権限移譲をしていきます。
それぞれに参画してもらうことで、使命感を持って情熱の炎をさらに大きくしていきます。
ただし、絶対に譲らないこともあります。
それは"思いを語ること"と"ビジョンを作ること"です。
酸素を送り続ける
繰り返しになりますが、情熱の火は放っておくとどんどん小さくなってしまいます。 特にタスクをとって、それぞれが進めようというモチベーションがあっても忙しさやタスク難易度によっては放置気味になり、自ずと萎んでいきます。
そうならないように
- 定期的にpingを打つこと
- 巻き取ること
も重要ですが、最も重要だと思うのは
- ビジョンをより深めて伝え続けること
だと思っています。
具体的には権限委譲により、空いた自分のスペースでさらなるアイデア、次のアイデアを考えたり、ビジョンを深めます。 そして、何かあった時に即判断できる準備をすることが重要かつ、チームを導く上で大切なことだと感じています。
さらには小さな成功に対して、感謝と労いの気持ちを忘れないこと、しっかり伝えることも大事です。
これにより「次からも一緒にやりたい仲間」が生まれると私は考えます。
まとめ
というわけで私の日頃実践している仲間の作り方を紹介してきました。 これは正解がある話でもなければ、それぞれに合ったやり方があると思います。
とはいえ、仲間を作ることでよく思い出すのが「北風と太陽」の話です。
もしも今仲間づくりに苦労している方がこれを読んでくれているならば、一つだけお伝えしたいのは
"〇〇をさせる" という考えを"〇〇する"という考えに変えると苦しさから少し解放されるのでは?
と思います。
このようなチームビルディングの話や場の作り方みたいなところを直近でこういったイベントでお話しします。 ご興味ありましたら、ぜひお越しください。
- 7/17 #AgileJapan「東3-3 ぼくらのひみつきち」 LT(https://note.mu/hiroki_hachisuka/n/n89ec49ecfb93)
- 7/30 #sdevtalks「オーダーメイドチームビルディング〜選球眼と勝負球(仮)」(https://s-dev-talks.connpass.com/event/136190/ )
おまけ ~参考にしているリーダーシップ~
と、ここまで私の思う仲間の作り方を語ってきたわけですが、僕の中で目指しているロールモデルがあります。
それはワンピースの主人公、モンキー・D・ルフィ です。
特に注目しているのは
- 一貫したビジョンと自信
- 各人の目標を尊重した上でチームとしては同じ方向を示す
- 言葉ではなく、心の本質を見抜く
- いつも明るい。ポジティブ
- 自分ができないことはできないと認める
- 全ての行動に偽りがない
といったところでしょうか。
改めて、いつかルフィのような偽りのないリーダーシップを発揮できるように日々精進していこうと思いました。