きっと、うまくいく~非IT業界をスクラムで変えるための系譜~

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「ミーティングのデザイン」読了

ファシリ塾の合宿を終え、ファシリテーションに対しての引き出しを増やすべく、今回はこちらを読みました。

ミーティングのデザイン エンジニア、デザイナー、マネージャーが知っておくべき会議設計・運営ガイド

ミーティングのデザイン エンジニア、デザイナー、マネージャーが知っておくべき会議設計・運営ガイド

この本は導入から実践さらにはメンタルモデルといったレベルによらない奥行きのある内容でした。 前半は理論と実践するための方法が想像しやすい表現で記載され、後半では、一般的な合意形成としてのミーティングや顧客とのミーティング、アイディア出し、問題点発見などあらゆるシーンを想定した幅のある内容です。

著者について

著者はこのかた。

twitter.com

ケビン・M・ホフマンさんはインフォメーションアーキテクト、デザインストラテジストとして、「人々が共有する時間を適切にデザインする」という観点から質の高いミーティングが効果的なデザインには必要と考えているそうです。 彼自身も数々のウェブ、アプリデザインプロジェクトのミーティングでファシリテーターを務め、世界各地で講演をしている方です。

全体構成

全体の構成は先に述べた通りの2部構成。

  • 第1部:ミーティングデザインの理論と実践
  • 第2部:デザインされたミーティング

という構成になっています。 バランスとしては第1部のページ数が多く基礎編という印象。第2部は事例をもとにした実践のための具体的な方法(アジェンダの例や内容など)の印象です。 そのため、順番通りに読み進めていくことをオススメします。

この手の書籍は「どうせ、当たり前のことが書いてあるんでしょ?」というものが多いかもしれません。 この本はむしろかなり踏み込んだことまで書いてあり、かといって難しくない。 初心者でも上級者でも深く学べる書籍だと感じました。

印象に残った内容

この本の序盤にこんな言葉があります。

自分の仕事がこれほどまでにミーティングの出来不出来に左右されるとは思いもよらなかった

どうでしょう?思い当たる節がある方も多いのではないでしょうか? ミーティングというものは形は違えど、ほぼ全員が経験があるもので、その出来に関しても何かしらを思うはずです。

しかし、それは何故なのか?改善できないことだと諦めていいことなのか? これを改善するあらゆる方法も本書に書いてあります。

押しの強い人たちがその場を牛耳り、もの静かな人たちの有望なアイデアは無視される。

これにも多くの方が頷きつつ、どうしたら良いのかわからない方も多いと思います。

そんなことを思っていると毎週の会議に対する気が重くなり、いつしか興味の方向が外れ、隠れて携帯をいじりだすなんて光景が想像できるのではないでしょうか? 見つめ返すべきは

どうしてこの会議は定期的に開かれるのか」 「目的を果たしているのか

そんなことも書いてあります。

では、そのようなミーティングを作らないためにどうすればいいのか。 それに対して言及している一節を紹介します。

優れたプレゼンターと並みの(あるいは下手な)プレゼンターを分けるのは、掲示する情報を均一かつ吸収しやすい量に小分けにしているかどうかである。

どうでしょう?はじめに全てを説明してから議論に望むこと、多くないですか? そして、「あれ?最初に言ってたことなんだっけ?」となってしまうこと、ないですか?

結論として

イデアが「脳に吸収されやすい」よう工夫し、出席者が持つ多様な「聞く」「学ぶ」「表現する」能力を上手く活かせば、質の高いミーティングが増える。

つまり、聴覚に対して大きな塊をひたすらぶつけることをやめて、「聴覚と視覚」、「聴覚と触覚」に訴えかけると人間の脳はよく理解するようです。

詳しくは本書の中で確認してみてください。

最後に

この本は前述のような人間の脳や、場の特性をもとにした理論を多く教えてくれます。 読むだけで自身の中での納得感は多く生まれていくと思います。

一方で、後半にある実践ほうほうを自分がやってみること。それこそがこの本から得たものを身に定着させることになると思います。

ぜひ、手に取ってみることをお勧めします。

ミーティングのデザイン エンジニア、デザイナー、マネージャーが知っておくべき会議設計・運営ガイド

ミーティングのデザイン エンジニア、デザイナー、マネージャーが知っておくべき会議設計・運営ガイド