【復習】CSPO研修(8) ユーザーストーリーとライフサイクル
これまで、ユーザーストーリーの必要性と、ライフサイクルのそれぞれを抑えてきました。 ここではそれぞれの関係性と具体的な進め方をおさらいします。
従来のプロセスとの違い
まず、アジャイルにおけるストーリーは従来の要件駆動型プロセスの以下2点を解決します。
1. 文書でのコミュニケーションによる「共通理解」ができたという誤解
ストーリーを用いて双方が会話することで「共通理解」を促進します。
2. 「要件」が価値そのものであるという誤解
プロダクトチームの目的は要件をあげて、開発を終えることではありません。
一番の目的は世界を変えることであり、そのために
アウトプットを最小化し、アウトカムとインパクトを最大化する
ことが必要です。
なので、シンプルなストーリーのライフサイクルは
- カードに書き出す
- 会話をする
- 確認する
- 構築する
- 結果を見る
を繰り返していくことを指します。
良いストーリー
では、良いストーリーとはなんでしょう。 良いストーリーは以下のように言われてきました。
- 特定のテンプレートを使う
- いくつかのストーリーを1スプリントで作れるように最小化する
- 何を構築すべきか明確にする
しかし、これらは事実と異なります!
開発作業が単一のストーリーから始まる場合は正しいと言えますが、実際は多くの議論によって洗練されてから形が整います。 つまり、どんなに大きなストーリーも初期の段階ではありうるということです。
良いストーリーとは存在しないのです。
ストーリーの分解
そのため、チームと議論しながらストーリーを改善していくということが重要です。
具体的には
初期のストーリーは「アイディアや機会」を指し、議論しながらこれを分割します。この時のポイントは 「プロダクトのユーザー体験を想像する」ことです。 そして最終的なストーリーは以下のような特徴を持つことが理想です。
- 独立してビルドとテストが可能
- しばしば作ろうとしたものを変え、アウトプットを最小化する交渉を続ける。
- 動くソフトウェアとして価値がある
- 見積もり可能
- テスト可能
では、次回は「検知と操縦」について入っていきましょう。