【イベントレポート】エンジニアリング組織論への招待 ☓ カイゼン・ジャーニー
今日はこちらに参加しました!
今日の会場は渋谷の株式会社VOYAGE GROUP さん
パルコさんや移転前はAbema TVさんがいたビルですね!
8Fを上がると大きな船があったり、おしゃれなカフェが待ち受けてました!
そして、会場も広く、熱い言葉が壁中に書かれている、感情を燃え上がらせるスペースでした!
さて、本編はアジャイル界隈を代表する方も登場する豪華なライトニングトーク(LT)からスタートです。
ギブリー 池田さん「エンジニアリング組織論への招待」を語る
まずは、
「未定」という名前で不確実性を語る
というキャッチーでそそる題名で「エンジニアリング組織論への招待 」についての感想からのスタートでした
気になったフレーズは
- 比較的楽観的な性格なので、「不確実。なんとかなるだろ」と思う
- あらためて、ちゃんと向き合うと「これまできちんと向き合ってこなかったんだな」
- 自分を振り返るには最良の本
- 組織リファクタリングのその先 - 最終的にはチームと人が競争優位性 - 開発も組織作りもどっちもアーキテクチャ - みんな成長する
- 定まっていない未来は切り開ける
という、CTOからCEOになるという異色の経歴からの知見をお話しされていました。
アジャイルコーチ/ジョイインク翻訳 原田きろさん 「カイゼン・ジャーニー」を語る
さて、有名人の登場です! 今日は
カイゼンジャーニーで書かれていないこと という、独自の視点でのお話です。
印象に残ったのは
- 主人公は「助けて」と言えばいいのに
- あれがノーマルではない
- マネージャーはチームが何困ってるからわからないと近寄れない。近づくと邪魔扱い
- だから、「助けて」って言えばいいのに
- 「ゆっくり」
- プロジェクト波乱万丈すぎ
- 「外からくる傭兵、あんなに優秀じゃない」
- 外から来るアジャイルコーチはもう少し観察しないとわからない。
- アジャイルコーチの仕事は例を与えることではなく、見逃していることを見つけること
- 「逸脱しよう」
- 越境の前にやり方を外してみよう
- そうすると境が見えて来る。そこから、越境すればいい
ホワイトヴボードを使った、掴むプレゼンはさすがでした!
Voyage group代表 小賀さん 「エンジニアリング組織論への招待 」を語る
エンジニアが経営者にこの本を読ませるために
- 控えめに見て最高
- 経営者とエンジニアのベースとして使うと幸せな組織になる
- エンジニアより経営者に読ませたい
- 経営者が抱えてそうな課題についてアプローチ
- 「抽象的な指示でもうまくいく」そういう組織にしたくないですか?
- 「不可解な開発速度の低下を見える化できます」
なるほど。広め方として、チームや同僚のみではなく、経営層への広め方は勉強になりました。
アジャイルサムライ翻訳、スクラムブートキャンプ著者 西村直人さん 「カイゼン・ジャーニー」を語る
わいが西方でおま!
ですよねーというスタートですw
- 2冊とも面白い
- なぜこれをやるのかを両方説明している
- そもそもなんのためにやるんだが説明されているのが良い
- 順序だてて説明しているのが良い
- 共感が軸なのが良い
- 知識の再編集
- Railsの様な
- 巻き込み力!
純粋になぜいいのかを分析していて腑に落ちた感のあるLTでした。
パネルディスカッション
- モデレーター 上野さん、
- パネラー 広木さん、新井さん、市谷さん
【テーマ1】お互いの本を紹介
新井さん:
- 多岐にわたる。書くの大変そう
- 300ページ近く
- アジャイルの根本を幅広く、深掘りし、整理してる
- 教科書だ!学び直すチャンス
広木さん:
- 伝えたいことの納得の回路は違う
- プログラムコードの様にロジックが通ってると納得するタイプ
- 物語性の方が共感が持てるのに、伝えられないと思ってたら、同時期に一人から視座を広げている書籍が出るのは衝撃
- 伝えたいことの違うアプローチ
- 時期、タイミング、因果!
【テーマ2】2つの本に共通することは何か。なぜ、共通部分が生まれたのか
市谷さん:
- 諦めてしまいそうな問題にアプローチは違うけど、切り込んでいる
広木さん:
- 問いが再帰的に書かれているのは他の本にはない
- 知識じゃなくて、知恵を書いている
- 問いはあなた自身にしか向かってない
- 問いを持ちつ続けられるのは「よくしたいから」
- こんなくどくどした本が同時期に出たら大変ww
- 巻き込んだ方が楽しい!辛くない!問いを捨てずにいられる
- 理論じゃなくて、輸入品じゃなくて、舶来品じゃなくて取り戻そう!がちょうど今来た!
【テーマ3】それぞれの本で異なる考え方、表現
新井さん:
- カイゼンジャーニーは物語、解説の繰り返し
- 物語に沿った紹介
- 広木さんの方はセオリー。物語ではない
- 広木さんの方が深く解説できてる
- カイゼンジャーニーで足りない時にeotに行くと深く理解できる
- カイゼンジャーニーは後ろにキャラがいる
広木さん:
- いきなりエントロピーとか言っちゃうw理屈っぽいw
- シンプルな理屈が説明されないで進めて、失敗しているのが多い
- だから、ベースとなる理屈からいこう
- 経験主義の意味って最初からわかってました?
- 仮説検証の話で科学哲学史って学生で習っても流しちゃうよね?
- 挫折せずに!w
- 数式にめげたら、ちょっと飛ばせば?w
【テーマ4】現場でそれぞれの本をどんな風に使っていけばいいか。著者が気をつけていることは?
市谷さん:
- ぼっちの人向けに書いた。変な奴と思われそうだから言わない。でも、気づいたしな…という人へ。
- ぼっちでも次の一歩が踏み出せるかもしれない
- 「助けて」って言っても助けてくれないw
- そういう時に傍らに
広木さん:
- 何人かで読んで思ってることを言った方がいい
- 大人は嘘をつく
- 個人的ないさかいが大きくなって、理屈だった正当な話の様に正しい。正しくないという話をする
- スクラムもそういう話になってしまっている
- 本当は問題に気づいてたのに…
- 気づいてたことに気づき直す
- コンティンジェンシー組織論
- この本は社会の仕組み
- 今あなたの頭に浮かんだ「一歩引いてしまっている相手」と読めばいい
- アルコールに匹敵するバイラル性や読みたくなるもの
- ビールがライバル
新井さん:
- 5フィンガーとか指さえあればできるのでやってみればいい!
- そういうプラクティスを繰り返すとチーム力が上がる
【テーマ5】お互いに聞いてみたいこと
新井さん:
- 表紙の色、英語タイトルの決め方は?
広木さん:
- かっこよさげなタイトルをつけたい
- アルファベット2単語がいいなー
- 技評さん「違う」
- 和物に
- いい本は「〜招待」が多い
- 真ん中に英語入れたい!
- デザイナーから来た英語タイトルが良い!となった
- ティール組織が流行りそうだから、よりティール色に!
広木さん:
- それぞれのモデルに「これ私でしょ?」とか言われた?
市谷さん:
- 肖像権とか…w
- 上野さんもその一人
- こだわりが強い!UIとか!
新井さん:
- 僕もいます!
広木さん:
- 当て書きをする時にまさにあったエピソードは?見る人見たらわかるんじゃないの?とか
市谷さん:
- まんまの話もある。
- 片瀬とイベントやるところとか!
新井さん:
- いろんな実体験をMIXして抽象度を上げてる
会場からの質問
【Q1】長期プロジェクトで中々成果技でないような状況を乗り越えるコツやエピソードは?
広木さん:
- 「開発力」の調達は難しい
- ボトルネックとなる資源に投資できない会社が生き残るわけない
- 採用に困ってない会社はない
- 採用しなくても、効率を上げられる方法はあります!と言っても聞いてもらえないのか。
市谷さん:
- 新規事業の立ち上げにおいて。
- やれないならやめるしかない!という覚悟
【Q2】広木さんの実践と体験はどれ?
広木さん:
- 実践したことがない理論は書いてない
- 理屈が切断された「やってみたらいいよ?」はしたくない
- 実践した部分を集めて理論化したらできた本
- 全部経験
【Q3】マネジメントしているサイドから本を広げる方法は?
新井さん:
- うるさいくらい発信!
- 反応がなくても続けていくと徐々に伝わる
- ベストメソッドではないけどね
広木さん:
- とりあえず買ってそっと置いておく
- UXなんだろうな
- めっちゃ進められると斜に構えちゃう人もいる
- そういう人にこそ進めたい
- 見つけた感を演出
- そうするとよく伝わる
- どうやるかわからないけどw
- サブリミナル的にw
新井さん:
- 問題駆動とか
最後に一言ずつ
新井さん:
- 舞い上がった時の夜中の妄想をやってみちゃえ!
- 数億円の失敗にはならないので
- 自分ごととなって楽しくなるはず
広木さん:
- 禁煙も痩せることもこの本のためにできたw
市谷さん:
- 誰かと一緒に何かをするのは難しい
- ここにいる人たちは広めていく人
- 一緒に広めていければ、前進するのかと思う
- 20%でもいいことがあるなら、参加してみるのはいいのでは?
感想
今回のイベントは今年の2月に出版された、切り口や表現の異なる2冊の書籍の著者の貴重な共演ということで、近い思想を持つ中で、それぞれの方法で伝えているそれぞれの個性が如実に伝わる会でした。 その中でも、共通して言える「問いを繰り返していく。問いから始める」という部分に共感するとともに、それぞれの良さ、味が再発見できた会でした。
スクラムだけでなくものの見方としても、一つの事象を一つの側面から見つめるのではなく、あらゆる角度から見つめることで、平面で捉えていた知識が奥行きを増し、立体的に見えることで知識の深さも変わっていくと思いました。