2018年のふりかえりと2019年の挑戦
2018年も残りわずかとなりました。 ここで自分のふりかえりと、今見えている来年の挑戦について書いていこうと思います。
主に2018年はわたしの中で"働き方を大きく変えた年"でした。 昨年までのわたしは典型的なサラリーマンというか、
朝から仕事をし、終わらなかった仕事はダラダラと残業をしてかたずけ、自分の精神を摩耗させていながらも、自分の成長の鈍化に恐れを感じているような状態でした。
2018年は大きな出会いと衝撃が次から次へと訪れ、本業以外でのチャネルができ、そこでの活動やそれに伴う自分の成長を大きく感じた年でした。
特に大きな下記についてまずは振り返っていきたいと思います。
- プロダクトマネージャーとしてのお仕事。
- カイゼン・ジャーニー、DevLOVEとの出逢い
- スクラムとカイゼンを根付かせた話
- The Agile Guildでの新たな試みを行う仲間たち
- ブログメンターをしてもらいました!
- 結婚しました。
プロダクトマネージャーとしてのお仕事。
これは本業の話ですね。2018年1月から新たなプロダクト開発を行っていました。自社のVOD関連事業の現場効率化を行うプラットフォームで、自社内のみならず、顧客にもプロダクトのユーザーとして参加してもらうことで今までの受発注やプロセス管理の工程をカイゼンするプラットフォームです。
というわけで、プロジェクトメンバーは開発職はわたし一人。あとはVODの現場のリーダー職数人でのプロジェクトチームで、外部の開発パートナーと協力して進めたプロジェクトでした。
このプロジェクトは二つの挑戦をしました。
スクラム開発に関しては2017年10月くらいから興味を持ち、ジワジワと調べていました。そのため、開発パートナーの選定も「スクラムで行うこと」を前提に探しました。 もう一つの観点として、私の立場は外部のパートナーとの開発以外に内製開発も担当しています。そのため、自社の自チームでの内製開発にもスクラムを取り入れるために自信が学びたいという側面も多くありました。
そのため、私自身も
- Scrum Alliece認定プロダクトオーナーの取得
- ベトナムでのチームビルディングへの参加
などを中心に自身の知識を伸ばすこともしてきました。
はじめてのオフショア開発のため、ベトナムでのチームビルディングへの参加は多くの学びがありました。
「初めてスクラム開発を行うチームがどのように学び、どのように成長していくのか」 という観点で今後自身がが社内アジャイルコーチとして立ち居振舞うにあたり、どう動けばいいのかを見て学ばせてもらいました。
また、プロダクト開発という観点においても、拙い英語でではありますが、
- このプロダクトがどんなものなのか
- 配信市場はどういう状況なのか
- どんな課題を解決するのか
といったものを自分の言葉で自分の表現で、チームに話せたことがとても有益だったと感じています。 また、実際に顔を見て話せたこと。一緒に飲めたこと。ベトナムのカラオケで肩を組んで歌えたこと(Michel Jacksonとか)。中にはFacebookで友達になるメンバーもできたくらい仲良くなれたことはとても受発注の関係を超えたチームとしてスタートが切れたとても良い要因となりました。
ベトナムから帰り、実際のチームでのプロジェクト運営においてもいくつかの取り組み行いました。
今回のようなDevOpsそのものの案件は会社の性質上、割と多いものの、エンジニアと非エンジニアの組織の温度差や知識の差を埋めることができす、チームになり切れないパターンが多くありました。
そのため、チームビルディングは丁寧に行いました。 具体的には
- プロジェクト開始時に全員でインセプションデッキを作成
- 開発プロジェクトとマーケティングプロジェクトの両方を組成
- チームメンバーの増減時にインセプションデッキをリファクタリング
- スクラムとは?アジャイルとはという説明と共通理解の場の設置
- 節目でのふりかえり
プロダクト自体はこれからユーザー獲得フェーズに入ります。 B to Bサービスのため、母数は少ないものの、業界のデファクトスタンダードになるべく、1月からもいろんな施策を打っていこうと思っています。
カイゼン・ジャーニー、DevLOVEとの出逢い
前述の通り、昨年後半からスクラムの勉強を進めてきたわけですが、そんな折、2018年2月に今の私を作った大きな出来事がありました。
それは、 Developers Summit 2018の 市谷さん、新井さんの講演、そしてカイゼン・ジャーニーです。
DevSumi自体は毎年いってはいるものの、あくまで技術的な知識を得るためのものという位置付けで考えていました。 その中で偶然、「アジャイル・スクラム」という文脈でセッションを選んでいたところであったのがお二人のセッションでした。
その講演が私にとってはとても新鮮で、何より心を大きく揺さぶられました。
技術論という面よりも
といったまさしく「会社で誰もやったことがないこと」を一人で進めることが多い自分の状況とその話が重なりすぎていて、まさに灯台のようにその先の私の道をてらし、燃料を注いでもらっているような気持ちでした。
後にも先にも講演を聴きながら今すぐにでもアクションを起こしたいと思ったのはこの講演だけだった気がします。
講演後の私はカイゼン・ジャーニーを購入し、足早に「スピーカーズラウンジ」に行きました。 この時が市谷さん、新井さんとの初めての出会いです。
まさかこの1ヶ月後に「週に2~3回もこのお二人と一緒に活動したり打合せをしたり、飲んだりする」ことになるとは思いもしませんでした・・・。
そして目黒雅叙園を離れた翌日。 土曜日ながら、動かずにはいられず、いくつかの新しい試みを始めました。
まずはTwitterとこのブログの開設です。
それまではほぼほぼ、インプットばっかりだった自分を変えるため、また、自分の中での目標としている
「映像業界の働き方を変える」
ということの実現のためには、アウトプットの必要性を感じたことがいちばんの要因です。 そして、数ヶ月ご、数年後に自らが登壇して話しているビジョンが思い浮かび、そのためのログを残すこと、その機会をもらうためにはアウトプットを絶やさないことが必要だと感じました。
その時の投稿がこちら。
退路を絶って本気で頑張るために新規アカウント開設!
— はち (@PassionateHachi) 2018年2月18日
よろしくお願いいたします。
そんなこんなでアウトプットを続けていると奇跡のような展開が待っていました。
そして・・・
今思うと、断ることもできました。 そして、今までの自分だったら断っていたのかもと。
ただ、自分の活動にドライブをかけるために。なにより、「映像業界をチームで働く業界に変える」という目標に近づくためにと考えると自然とここに力を注げるようになりました。
それから、DevLOVEの運営としていろんなイベントの企画や登壇、ワークショップもやりました。 例えば・・・
ナビタイムさんの会場でこんな話をしたり・・・
www.slideshare.net
価値観ババ抜きのワークショップをやったり・・・(1月に第2回やります!)
ビブリオバトルやったり・・・
中でも反響が大きかったのは私なりの新卒社員の育て方についてでした。
www.slideshare.net
ふとした2月の出逢いから、ここまで成長できたのは他でもないこの活動があったからだと思います。
そして、この活動は私個人のものから、社内での活動へも繋がりました。
スクラムとカイゼンを根付かせた話
さて、上記のような社外でのコミュニティー活動や出逢いは何も自分の個人活動のみに還元されているわけではありません。 この経験が本業の自分の部署のみならず、他部署への貢献につながったことも今年の大きな収穫でした。
まずは、社内スクラム勉強会の開催です。
毎週月曜日に1.5時間もらい、スクラムについての勉強会を全6回で行いました。 この勉強会の特徴は、
- スクラムや開発に関わるのはエンジニアだけじゃないので営業も参加。
- 決して開発に特化した方法論にはしない
- 毎回座学とワークの2部構成
という点です。
- 座学だけだと飽きてしまう。
- エンジニア向けだと難しくなってしまう。
- プロダクトを育てるのはエンジニアだけじゃない
という点からこのような構成にしました。
ワークの内容としては
- マシュマロチャレンジ
- デリゲーションポーカー
- プランニングポーカー
- ドラッガー風エクササイズ
- 価値観ババ抜き
などを行いました。
その様子がこんな感じでした。
そして、この勉強会で終わらせてしまうと、あくまで部署内に留まってしまいます。
そのため、社内ナレッジシェアツールに「なぜ、このようなことが必要か」と方法を少しずつ書いていきました。
また、この勉強会を機に「まずは何かやってみよう!」という空気を作ることができました。
そこで部署で始まったのが、Daily Scrumとふりかえりです。
Daily Scrumでは
- 昨日やったこと
- 今日やること
- 困っていること
を中心に構成し、最後にはファイブフィンガーで気持ちを可視化しました。
ふりかえりは KPT-Aの方式をとり、 それまでに行われていた部署の定例会議のやり方を改善しました。
運営をして1ヶ月。 この活動が起動に乗ったと感じたもののこれによりどう感じているかのフィードバックのもらい方とチームのモチベーションを上げる方法を考えたいと思い、もう一つのワークを始めました。
これは月間MVPという名前で
1か月間の「ありがとう!」と思う行動を「誰 to 誰さん。〇〇してくれてありがとう」という形式で付箋に書き出し、 みんなの前で顔を見て感謝を伝えます。そして、全て出揃った中から、最も素晴らしいものに1人1票、シールでドット投票するというものです。
これはとても効果が大きく、
翌週のふりかえりのKeepに
「MVPもらったことでモチベーションが振り切ってます!!」と書いてくれるメンバーがいたり、 「朝会のおかげで、体調不良や困りごとが言いやすい雰囲気でとても嬉しいです。」
という言葉をもらいました。
このような私の部署でのカイゼンも社内ナレッジシェアに書き込むこと、それを社内SNSに発信することを始めました。 すると、私の活動は次第に口コミで広がり・・・
- 「ぜひ教えてくれ!」
- 「うちでもやってくれ!」
- 「相談がある!」
と他の部署か声がかかるようになりました。
そこから生まれたのが、「こそ勉Lab.」という社内勉強会です。
この活動は主に休日、有志で集まって行う勉強会として立ち上げ、これまで半年で5回の開催ができました。
今では運営メンバーも10人を超え、来年1発目のイベントは自社のみならず、親会社やグループ会社まで活動が広がることが決まりました。 じわじわとではありますが、こういった形で業界に勉強会の流れを根付かせることができそうな雰囲気が出てきました。
また、業務においてもカイゼンの流れを大きく変えるきっかけがありました。 それはヴァル研究所さんへの見学です。
これはひとえに新井さんとの出会いがなければ生まれなかった経験で、自分の部署以外に活動が広がった大きなトリガーになりました。
見学は半年間待ってやっと順番が回ってきた上に限定10人ということもあり、この機会は絶対に逃せないものでした。 そのため、私は人選に力を注ぎました。
まずは、1人目のメンバーとして巻き込んだのが社長です。
ある日、社長室のドアをノックし、(エレベーターピッチ並みの)プレゼンを行い、社長の理解を得ることができました。 そして、社長と一緒に残りのメンバーの人選を行いました。
その結果、納会でしか集まれないような自社のエースを集めることができました。 具体的には・・・
映画、TV(2拠点)、VOD、業務管理、総務、CM、R&Dのマネージャー陣。
弊社のアベンジャーズのような存在です。
そのおかげで、各部署で強粘着の付箋やカンバンが日常の風景になり始めてきました。
来年はさらにまだ届いていない部門へこの波をたどり着かせること、そして、より高次元で社内改善が進むようにしていこうと思います。
The Agile Guildでの新たな試みを行う仲間たち
そして私のもう一つの活動が The Agile Guildです。
ここには、本業とは別に
- 自分の能力で試したい
- 世の中の課題を解決したい
- 貢献したい
- 能力を伸ばしたい
と純粋に思っている人々が平日の日中、夜、休日問わず、自分の時間をつぎ込んで集まっています。
そこには会社や組合などのしがらみから解放され、純粋に世界を変えようとしている人たちが100人以上存在します。 主に私はこの組織で
自分にも会社にも足りないと思っている「仮説検証」の分野で関わらせていただいています。
ここでの活動は企業に属していたら当然になってしまっている常識を良い意味で考慮しなくていい状況や、政治や大人の事業に引っ張られることなく、開発の力で課題を解決していくことができる環境が整い始めています。
ここでの活動はいつも私に新しい視点と側面をもたらしてくれており、ワクワク感と「できないことなんて実はあまりない」ということを思わせてくれています。
ブログメンターをしてもらいました!
10月より、カックさんにブログメンターをしていただきました。 おかげで、ブログを書くことの習慣化や記事以外のコンテンツの有効性などたくさんのことを教わりました。
前述の通り、私の目標を達成するためにはアウトプットは1,2を争う重要な取り組みです。 私の中で次のステージに進むために必要な、モチベーションの源泉に命の水を湧かせることができそうです。
結婚しました。
今年の出来事の最後は結婚です。 今年の6月に2年付き合った彼女と結婚しました。
このブログはきっと嫁は見ないだろうと思うので、照れ臭いことも書いていこうかと。
彼女は「ピアノを弾くこと」を生業としている人です。 そのため、プロとしてのものの見方や感性、考え方を持っていて、日々刺激を受けています。
そのため、いろんな部分でぶつかることは出てきつつも、そういった気持ちのぶつけ合いができる状況と最後には仲直りができる環境にとても心理的安全性を感じています。
ご存知の通り、夜の打合せやイベントなどで平日はほぼ毎日外食。そして夜も終電前後の私に対しても、それを許してくれるどころか、笑いに変えつつ、心配をしてくれる姿は感謝をしても仕切れません。
彼女と過ごす毎日がなければ、私自身のモチベーションは保てないし、前に進めないと日々感じています。
2019年、新たな挑戦。
2018年はこれらの活動から社会人7年目にして、最も濃厚な日々を送れました。 特に、平日の夜、休日時間の使い方が変わったことにより、1日の時間が24時間から48時間くらいに増えた感覚が強いです。 逆に言うと、今までの私の生活は24時間をフルに使えておらず、"時間"と言う限られた資源を無駄遣いしていたと痛感しています。
そして来年はこれらを加速度的にドライブをかけることのみならず、新たな出逢いが見えてきました。 最後にその4つのチャネルについて紹介してこの長文記事を終わろうと思います。
1/26(土) Backlog World 2019
まずは、2019年最初の登壇が決まりました。nulabさんのBacklogのユーザーグループであるjbugさん主催のBacklog world 2019です。
こちらの公募セッションに申し込んだところ、大変ありがたいことに6枠の公募セッション枠の一つに選んでいただきました。
ここで私がお話ししようと思っているのは、
そのため、プロジェクト管理ツールの導入とタスクの可視化を目的にこの半年で行った10の取り組みについてです。 2018年の私の活動は数々の方々との出会いに支えられたものであり、私自身は何の特殊な人間でもありません。
私の取り組みを惜しみなくお伝えし、DevSumiで私が勇気付けられ、1歩を踏み出せたように、聞いてくださる方が1歩踏み出せるような方法とマインドセットについてお話ししようと思います。
メディアエンジニア勉強会
そして同じく1月に始めようと考えているのが"映像業界のエンジニア向け勉強会の定期実施"です。 映像業界は数年前まではビデオ信号や放送機器の技術と言うIT業界とは全く別の技術が必要な業界でした。
近年ではこれだけではなく、ネットワーク速度の普及により、IT業界と変わらない技術が必要となってきました。
一方で、扱っているデータの容量は数TB~数PBが当たり前であり、放送機器との連携が必須です。
そのため、IT技術のみ持っているエンジニアも、映像技術のみ持っているエンジニアもまるで歯が立ちません。
しかしながら、閉塞された環境の中、お互いに知識を共有する場が限定的なのが事実です。 また、映像に参入し始めたIT企業が勉強会の場を提供しても「だれ?」と言う状態で誰も集まらない業界でもあります。
そんな状況を打破するためには業界のリーディングカンパニーが旗を振ることしか方法はなく、そのポジションは自社であり、私が切り開くべきだと自負しています。
そのため、来年の活動の主軸のひとつとして力を入れようと思っています。
ファシリテーション塾
そして、もう一つがまだ未確定ではありますが、"ファシリテーション塾"です。 これは私のスキルの向上、場づくりに対する理解と体現をより確実なものにするために個人の活動として参加を申し込んだものです。
プロダクト、プロジェクト、チームなど、人が集まるところにはファシリテーションが必要です。 それは「会の議事を進行する」ことではなく「場を作り、デザインすること」だと思っています。
そういった観点では自分はその時のメンバーによって精度がマチマチになっていたり、苦手意識を持ってしまうこともあります。 そんな自分のスキルを上げるためと言う点が動機の一つです。
もう一つの動機は、「ファシリテーターのための場づくり」です。
ファシリテーターは意図して自分がなる場合と、いつの間にか自分がやらざるを得ない場合があると感じています。
と言うのは社内会議など然り、
どうしたらいいのか分からないけど、言い出した手前、もしくは指名された手前、自分が進行しなくてはいけない
と言う状況です。
こういった状況でファシリテーションをしている場をよく見かけることもあり、そんな状況を生み出さないためにも ファシリテーションの重要性や必要な考え方などを伝えることができればと思っています。
そのため、ファシリテーターをサポートできるスキルやマインドセットを得たいと考えています。
最後に
ふとFacebookを見直してみました。 今年友達になった方が合計で125人でした。
日々感じるのは私の成長と新たな挑戦ができるのはいろんな方との出会いのおかげだと思っています。
みなさんからの応援であったり、機会をもらったり、声をかけていただくことがなければ、自分の目標は何一つ達成できていないと思います。
2019年はより一層の貢献ができるよう速度を上げていこうと思います。
私の活動や行動、言動に何かしら感じていただけたら、ぜひお声かけいただきたいです。 いろんな機械に対し、120%で答えられるように頑張っていきます。
来年も引き続き、よろしくお願いします!