きっと、うまくいく~非IT業界をスクラムで変えるための系譜~

一人のPO見習いが業界を変えるために奔走する様子をただただ綴るブログです。

【私のやり方紹介】5本の指で心理的安全性を高めた話

久しぶりのブログになってしまいました。今日からまた頑張って行こうと思います!

 

今日はチームの心理的安全性のお話。

毎日顔を合わせるチーム。あなたのチームの風通しはどうでしょうか?

 

「毎日挨拶してるよ!」

「土日もBBQやるくらい仲良しだよ!」

「毎週飲みに行ってるよ!」

 

といろんなバロメータがあると思います。

ただ、そこには議論をぶつけあえる、時に言いにくいことを言い出せる空気はあるでしょうか?

 

そんなチームにおける心理的安全性について考えてみます。

 

ある新人の一言

 

昨日、チームで恒例にしている感謝の月間MVPというワークをやっていました。詳しくは別でお話ししますが、その中である新人がこんなことを言ってくれました。

 

「はちさんが僕が体調が悪い時に"もう今日は帰ったら?"と言ってくれたので救われました。それに朝会で行うファイブフィンガーのおかげで言い出しにくい自分の体調や気分のことも隠さず軽い気持ちで伝えられています」

 

と。

 

私の取り組みがひとりの新人の心の重荷を取り去ってあげることができたのが、私の中でもとても嬉しいできごとでした。

 

彼の言うように新人や後輩は

 

「言っていいのかな?」

「頑張らないと怒られるかな?」

 

と何かと不安を感じています。

そんな彼らにとって、先輩だらけのチームは心理的安全性が低くなりがち。

 

一方で、チームの今後を担うのも彼らであり、彼らが100%のパフォーマンスを発揮できる環境こそ、未来に繋がるチームだと考えます。

 

私のいるチームはそれだけでなく、体調を崩しやすいメンバーが多かったり、気持ちを表に出しにくいメンバーがいます。

 

そんな彼らに

 

「ちゃんと言いなさい!」

「絶対休むな!」

 

というのは逆効果で、まるで北風と太陽の北風のような状態です。

 

そこで、誰でも気持ちを表しやすい方法をと考えて、カイゼン・ジャーニーにもあるファイブフィンガーを朝会に取り入れました。

 

口に出しにくいことを表現する

チームにいる以上、言いにくいことの他に言いたいんだけど、言い出せないこともあるでしょう。

 

赤ちゃんであれば、泣いて表すことができますが、大人は我慢して、我慢して、心の中で苦手意識や嫌いという感情が大きくなり、爆発します。

ただ、そんな人もどこかでアラートを出しているはずで、それがわかりにくいだけかもしれません。

 

であれば、わかりやすか表せる場を提供することも時に重要で、それもファイブフィンガーの使いどきかもしれません。

 

Yes/Noでは表せないこと

 ファイブフィンガーの使いどきは体調や気持ちを表すときだけではありません。

社内の勉強会や説明会などでも活用できます。

 

説明会などは内容にもよりますが、どうしても一方的な説明に終始してしまい、最後には質問タイムというものが多いですが、この質問タイムも質問することに抵抗がない人のための時間となってしまい、いつも同じメンバーのみが話している構図ができてしまいます。

 

また、質問タイムにしてしまうと

 

・なんかモヤモヤしてる

・どう表現すればいいかわからない

・何がわからないかがわからない

 

という人の意見を抽出できなくなってしまいます。

 

そのため、最近では説明終了後にファイブフィンガーを行い、1の人や5の人にその理由を聞いてディスカッションを行ったりします。

 

そもそも、ファイブフィンガーって何?

 

さて、ここまで何の説明もなく来ましたが、そろそろ

 

「ファイブフィンガーって何?」

「きになる!」

 

という状態になっていないでしょうか?

 

ファイブフィンガーとは、文字通り、片手の5本の指で今の気持ちや状況を表す簡単なアンケートです。

 

実施する際は

「全然わからない場合は1、完全に理解したと思う場合は5」などルールを定義し、

「せーの!」でみんなに出してもらいます。

 

一斉に出すことでいわゆる忖度や顔色を伺うことがなく、アンケートをすることができます。

 

また、必ず、何かしらを出す必要があるので、全員の様子を可視化することができます。

 

明日あなたができること

 

ということで、ファイブフィンガーには道具はいりません。

 そして使えるシーンも多く、続けることで心理的安全性を高めることができるかもしれません。

 

ぜひ、明日の朝会やチームで何かを教えあう際などに活用してみてください!

 

 

 

大人になっても学び続ける方法

突然ですが、最近思うことがありまして。

外部の勉強会やイベントに積極的に向かう人とそうでない人。積極的に本を読んだり、プライベートでも学ぶ人とそうでない人。 価値観の違いといえば、その通りですが、この違いってどうして起きるのだろうと。

専門的な見解や何か法則的なものはあるかもしれません。 それはそれで是非教えていただきたいのですが、この半年で急速に時間の使い方が変わった私の感覚をつらつらと書いていこうかなと思いました。

はじめの一歩はどこなのか?

 まず、「頑張ってみようかな!」「勉強しなくちゃ!」という気持ちが芽生えること人は特別な存在なのでしょうか? 私はそうは思いません。

マズローの欲求5段階説にあるように、人は安全な状態にいると次は社会に属することを求めるといわれています。

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次の承認欲求にも絡んできますが、認められるためには自分の良いところを見てもらうことから始まります。つまり、誰かと比較するという意味では、社会に属している以上、自分より優れた部分を持つ人が目に入ります。

そうなると自己実現の欲求からか「こうなりたい」「このスキル欲しい」ということで、「頑張ってみようかな!」「勉強しなくちゃ!」という気持ちは全員に芽生えるのではないかと私は思います。

全然科学的根拠とかはないですがw 妄想ですw

やってみるか。やめておくか。

では、どこで差が出るのか。 単純に実際に行動を起こすかどうかがまずは分岐点になっているのではないでしょうか?

何かを学習しようとした時にまず考えるのが、2つあると思います。 それは

やる理由」と「やらない理由

かと思います。 メリット、デメリットともとれるでしょう。

例えば、やる理由としては

  • これができると視野が広がる
  • あの人みたいになれる
  • 周りからより承認される
  • 給料が上がる

などなどあるでしょう。

やらない理由は

  • 時間をこれに使うのもなぁ・・・。
  • 疲れるしなぁ・・・。
  • 身につくかわからないしなぁ・・・。
  • 準備にお金がかかるしなぁ・・・。

などなど。

この時に

やる理由 < やらない理由

になってしまうと、そこで行き止まりで、大抵の人がこの状況かと私は思います。 ある意味ここでも自分の戦いで篩に掛けられているのかと。

それを実感したのが、以前お話を聞いたぷぽさんのこのお話。

speakerdeck.com

なので、最初の関門は

やる理由 > やらない理由

という状況を作り出すことなのかなと。 つまり自分との戦いですね。

継続につながる要因

では、

やる理由 > やらない理由

となって始めてみたらどうなるか。 最初はモチベーションが高いので目標を超えるくらい頑張っちゃうでしょう。

そして、急に我に返る。

「これ、いつまでやるんだろ?しんどくね?」

そして、自然消滅。これが俗に言う「三日坊主」なのかなと私は思います。

一人で燃え上がったモチベーションを序盤でだいぶ浪費しすぐに火が消える状態。

ここで私が思うのは

まず、無理しない。

飛ばしすぎず、時には自分に甘くなってもいいので、長続きすることを心がけること。

そしてもう一つが

目標を持つこと

だと思います。

これは世の中的には

  • 試験に合格する
  • 点数を何点取る
  • 〇〇ができるようになる

が一般的ですが、これってまだ一人の世界で戦ってると私は思うんです。

そして、ある意味、"止まっている目標"なので、目標設定をいい塩梅(届きそうで届かない。120%でちょうどいい)くらいにしないと

「えー、めっちゃ遠いんだけど・・・」 「あれ?余裕じゃん」

と言うことで終わりを迎えてしまうのかなと思ってます。 これだと継続性がなく、スタート地点に逆戻りですよね?

なので、私のオススメは

動く目標を持つこと

それは

この人を目指す!

といった"人を目標にする"と言うことです。

 ※ 「試験に合格する」などがゴールの場合はむしろ前者がいいと思います。あくまで、「学び続ける」と言う観点です。

人を目標にすると、自ずと高い目標になりつつ、自分が憧れるくらいなので、相手も成長しています。

つまり、目標自身が先に進んでいき、うかうかしていると見えなくなります。 なので、継続性があるわけです。

一方で、必死に背中を追いかけ続けると、自ずと自分も成長しています。必死なので気づきませんがw なので、この時点で見えてる世界は変わり始めているでしょう。

憧れ起点と挫折起点

では、なぜ人を目標にすると学び続けられるのか。

私はある種のサイクルが発生していると思ってます。 それは

  1. 「あの人になりたい」という憧れ
  2. 「あの人のやってること」をマネする、実践する
  3. うまくできない挫折
  4. 「どうすればいいんだ」と学んでみる
  5. 「普通にやっている。あの人すげー」  1.に戻る

のような"憧れサイクル"です。

ただ、これはスタート地点は人によって2パターンあると思ってます。

  1. 憧れからスタートして挫折を味わい、学んでいく
  2. 挫折を味わい、学んでいく中で憧れの存在と出会う

これは性格やその時の状況、学んでいる分野にもよるかもしれません。

つまり、学び続けるためには

"なりたい姿"を想像することが大事かもしれません。

エンジニア的な観点でいくと、クラウドなどのアーキテクチャなどはまずベストプラクティスを知り、そこから適正に即していくことが一般的かつ効率的で、なのでみんなググりながら過去の成功例や失敗例を探します。

これと同じかもしれません。

出会いと場の必要性

では、"なりたい姿"はどう探すのか。 正直、これは視野を広げるのが一番だと思います。

学びたいモチベーションがある状態で、とにかくその分野の情報を集めることしかないでしょう。

いくら「学びたい」と言っても、その分野の前提知識や置かれている状況、第一人者は何をしたのかなどに興味がないのであれば、 それは「学びたい」とは言わない気がします。

書籍を手にとったり、ネットで調べたり、身近な詳しい人に話を聞いたり、身近にいなければイベントや勉強会などに行ってみたり。 そうしていると自ずと目に入るはずです。とはひたすら追いかけることが大事です。

では一方で、自分ではなく、周りの人に「学び続けて欲しい」という場合はどうするか。

難しいテーマではありますが、まずはその相手が

「興味を持っているか。持ちそうか」

が大事です。正直、興味がないものを押し付けられても苦痛でしかないわけで、諦めるか興味を持ってもらう工夫から始めるのがいいと思います。

そして、少しの前進も承認してあげること。モチベーションが上がったところで、"なりたい姿"のイメージを一緒に考え、一緒に目標を探すこと。 それができれば、あとは走ってくれると私は信じています。

また、"憧れの存在"となっている人たちはいうまでもないかもしれませんが、自ら成長を続けることで、後進の足を止めないことにつながるのではないかと思います。憧れと認識してもらうための場の提供も重要かもしれません。

今からまず何をすればいいか

というわけで、根拠もなく私の思ってることをつらつら書いていきましたが、 学び続けるためには

  1. "やる理由 > やらない理由"という状況を作る
  2. "動く目標"を見つける
  3. "マネをしてみる"。そして挫折を味わう。
  4. 目標に近づく工夫を続ける

ことだと思います。 なんどもいうようですが、

「頑張ってみようかな!」「勉強しなくちゃ!」という気持ちが芽生えることは誰にでも起こり得ます。 もしかすると、これを読んでいただきながら、芽生えているかもしれません。

そこから一歩進むにはまずは

自分との戦いです。

これを征するで大人になっても学び続ける道が開けると私は信じています。

【読書感想】エンジニアのためのデザイン思考入門

今日はこちらの紹介です。

エンジニアのためのデザイン思考入門

エンジニアのためのデザイン思考入門

この書籍は 東京工業大学のエンジニアデザインプロジェクト(EDP)において、学生と社会人が一緒になってデザイン思考と日々向き合っている様子が描かれています。

そして、この本で描いてるテーマは「デザイン思考」です。

そんなデザイン思考の誤解されやすいポイントや陥りやすい罠に触れながらも「ユーザー体験をデザインする」という本体の目的を教えてくれます。

この本の構成はプロジェクトの成り立ちからチームの様子、そこで見られたチームの成長を経て、アイディアやものづくりの本質を説いています。 今日はその中から私の印象に残った言葉や内容をピックアップしていきます。

EDPの場の作り方

EDPは「世の中に現存しない製品を生み出すための創造性」を掻き立てるためにその場づくりや、生徒だけでなく関わる全員が高い意識を持ったプロジェクトです。 当然、その環境づくりも徹底しています。

その中の一つとして、

立ってる人と同じ目線で議論できるように椅子は高く。窮屈になるので天井も高く

という話があります。 これは一見、些細なことかもしれませんが、イノベーションを生むためにはこのような細やかな気配りと、面倒くさがらずにあるべき姿に徹底的に取り込むことが大事だと気付かされます。

ユーザーのこと知らずしてユーザーの課題を解決できるはずがない

EDPではあらゆるバックボーンを持つ人々が集まってものづくりをするのですが、ものには当然、ユーザーがいます。 これはEDPだけではなく、多くのエンジニアと同じ状況です。

しかし、開発しているエンジニアがユーザーのことを理解していることはどのくらいあるでしょうか?

ユーザーインタビューやペルソナを基にした仮説検証自体もまだまだ定着しているとは言えない状況です。 そこで当たり前のように

「ユーザーのこと知らずしてユーザーの課題を解決できるはずがない」

という意識を持つことを実感している学生たちにハッと背筋を伸ばす思いです。

ユーザーすら気づかないことを見つけることが重要

ただ、ユーザーを知ることがゴールではありません。何かしらの課題を解決するということはユーザーの潜在的な課題を認識し、そこにアプローチすることも重要です。

時に

「ユーザーすら気づかないことを見つけることが重要」

ということもこの本で教えられます。

違う立場の集まったチーム

この本で終始見え隠れするEDPの難しさは東工大生と芸大生のすれ違いと各々の葛藤です。 特に、章末のコラムに見られる、それぞれの立場での感想がこの本の魅力の一つです。

東工大生は 物事を論理的に捉え、定量的に表せるものでないと理解に苦しんでおり、 芸大生は 芸大生間では通じていた「もっとモコモコした感じで・・・」や「なんかちょっと違う」といった感覚を指針としていることにより、心の葛藤が見えてきます。

これを素直に表に出せるのはある意味学生の特性であるかもしれません。

一方でこのような状況は大人たちの世界でも当然のようにあります。 エンジニア、デザイナー、企画職、営業職など、チームにはそれぞれバックボーンの異なったメンバーがいますが、 そこには大人のエゴやしがらみ、政治や権力などが重なり、同じように悩んでいても、やがて仲違いするか忖度の元一つの方向に向いてるかのように振舞ってしまいます。

そんなことのないように学生のうちから異業種間でのコミュニケーションを身につけている様はEDPの大きな価値そのものだと感じました。

成長の方向性

そして、この本の中には"T型人材"という言葉が出てきます。 これは

「縦方向に自分の分野を深めながらも横方向に他分野への知識を広げる人材」を指しています。

エンジニアは得てして、一つの好きなことを極めるスペシャリスト人材が多いようなきがします。そして、そこを目指す人間も多い気がします。 しかし、前述のような多くの異業種間でのコラボレーションを考えると、チームをまとめる、一つの方向に進める人材はある程度のジェネラリスト気質つまり、"T型人材"としての素養が必要なのでは?と感じでいます。

プロダクトマネージャーやスクラムマスターというロールにおいても、チームに対して貢献し、理解するにあたり、

「なぜ、このような悩みを持っているのか」 「何を考えているのか」

を察するにはある程度その立場での物の見方が必要で、そのためには自分の得意分野だけでなく、相手の得意分野に寄り添うように知識をつけることも重要な要素だと感じました。

そして私も"T型人材でありたい"と思いました。

圧倒的当事者意識とそこから生まれる熱量

ここまで述べたように「どんな場で、どんな人材が、どんな子跡をする」のが重要かということが学生の経験を追体験する形で感じ取れるこの書籍ですが、

最後には

「圧倒的当事者意識とそこから生まれる熱量が必要」

と書いてあります。

つまり、小手先の技術や考え方、雰囲気を作るだけではEDPではなく、我々の職場においても形を作っただけのただのモデルルームでしかないのです。

それをデザイン思考を持ったイノベーションの場とするためには最終的には「誰かがやってくれる」といった他人への依存と甘えを捨て、圧倒的な当事者意識を持って望む必要があると書いてあります。

そして、そこから生まれる熱量こそが、時に時間や働き方を超えた大きなエネルギーとなり、チームの文化になります。

これを表している一節が、

「文化を作るのに言葉はいらない。ただ行動するのみ」

という言葉です。

日々の忙しさの中で忙殺されていったり、精神的に不安定な状態で延々とコードを書き続ける状態だと、このような意識はロウソクのようにどろどろと溶けていき、いずれはその情熱の炎も消えてしまいます。

そうならないための思考法や場づくり、そして本質は何かということを教えてくれるのがこの書籍であり、 そこから、デザイン思考の第1歩を踏み出し、ユーザーや開発者それぞれの目指すべきものをしっかり見据えたものづくりをしていくことがこの本を読んだ後に再認識できると私は思いました。

是非とも、手に取って読んでみてほしい一冊です。

エンジニアのためのデザイン思考入門

エンジニアのためのデザイン思考入門

【私のやり方紹介】営業も交えた"プランニングポーカー"ワークショップ

さて、今日は「私のやり方紹介」シリーズ第二弾!

ちなみに前回は「マシュマロチャレンジ」を取り上げました。

passionate-po.hatenablog.com

今回は社内のスクラム勉強会で取り上げた「相対見積もりとプランニングポーカー」のワークショップについてまとめます。

ソフトウェア開発の見積もりは営業とエンジニアとのコミュニケーションの中で、

  • 「なんでこんなにかかるんだ?」
  • 「これ本当にやる意味あるの?」
  • 「やりたいことは本当にこれ?違うやり方のほうが工数かからないけど、効果はあるんだけど・・・」

など、時に衝突の原因となり、その結果

「(エンジニアは/営業は)よくわからない。わかってくれない。」

という確執を生んでしまいます。

そこで、私は営業、エンジニア合同で行ったスクラム勉強会の中で「相対見積もりとプランニングポーカー」というテーマを取り上げました。 前半は座学、後半はワークショップというスタイルで行った後半のワークショップについて、

同じような課題を持つ方が自分でやってみることができる!

ということを目的に共有します。

プランニングポーカーとは

 プランニングポーカーとは「1,2,3,5,8,13,21…」といったフィボナッチ数列で並んだカードを使って、ストーリーポイントを見積もっていく手法です。 その手法は

準備

  • プランニングポーカーに使うカードを用意します。

 私は江端さんなどが運営されているここで買いました!

Agile Goods-Scrum専門店

手順

  1. メンバー全員に「1,2,3,5,8,13,21」を1セットずつ配る
  2. プロダクトバックログを決める
  3. 「基準となるアイテム」を決める
  4. 「基準となるアイテム」を"2"と見積もる
  5. 他のアイテムを見積もる

というもので、見積もり自体は

  1. 「せーの」で同時に数字を出す
  2. 「なぜをその数字を選んだのか」をディスカッション
  3. 「せーの」で再度数字を出す

を繰り返して、見積もりをすり合わせていきます。

詳しくは Ryuzeeさんや川口さんのまとめが大変参考になります!

www.ryuzee.com

kawaguti.hateblo.jp

私の適用場面

今回、私がワークショップに取り入れた理由は

  • 「相対見積もり」という考え方を理解する
  • エンジニアが見積もりをどう考えて行っているかを理解してもらう
  • 個々の経験値や熟練度によらない見積もりを意識してもらう
  • 対話によってズレが埋まっていく体験をしてもらう

ということを持ち帰ってもらうためです。

そのため、今回はエンジニアのみでなく、営業もチームに入ってもらいました。

導入の方法

このワークショップの目的の一つに"相対見積もり"を理解してもらうということがありました。 そのため、前半は座学をやり、よくあるこの図を使ったり、

f:id:HirokiHachisuka:20180922222108p:plain f:id:HirokiHachisuka:20180922222137p:plain

ケーススタディーを伝えました。

しかし! やって見たことがある方はわかると思いますが、これが・・・

難しい!伝わりづらい!理解に個人差が生まれる!

ということで、

「実際にやってみましょう!」

ということで、ワークショップに導入しました。

準備とチーム分け

まずは、物の準備です。 私が用意したのは

  • プランニングポーカー用カード

 - 前述のこれ   Agile Goods-Scrum専門店

  • 付箋とペン

 - ディスカッション時のやりとりを忘れないように書き留めてもらうため。

  • 説明用のスライド

 - ワーク中に何をしていたか忘れないように出しておくもの

たったこれだけです。

そして、次に気にしたのが"チーム編成"です。 この時は計14人ということで、4チーム(3+3+4+4)としました。

このチーム編成の時のポイントとして考えていたのが

  • 営業と開発を完全にMIX
  • 普段あまり関わりがなさそうな人同士を同じチームに
  • 各チームのリーダーとして最も新人や最も若いメンバーをおく。

これにより、

  • 仲間内での適当感の排除
  • 若手をフォローする先輩たち
  • 若手がリーダーという状況から真面目に参加せざるを得ない

という構図を作りました。

テーマを発表

そして、「何について見積もるか」のテーマを発表します。

ここが一番のポイントです!

普段エンジニア同士で行う場合は

「このサービスを作るなら・・・」 「Twitterクローンだと・・・」

などのリアルな開発ネタがしっくりくると思います。

ところが今回は営業も参加しています。 どうでしょうか?

このようなネタだと

「わからない」 「つまらない」

ということで、会が破綻してしまうでしょう。

そこで、今回のテーマは

  • 全員が共通で理解できるもの
  • 共同作業を伴うもの
  • タスクにバリエーションがあり、チームごとに個性が出そうなもの
  • タスクの中でも解釈によって、工数がバラバラになりそうなもの
  • 仕事感が少ないもの

を選ぶことが重要です。

そこで私は

「このチームでBBQ(日帰り)をする」

というテーマにしました。

何回かこのテーマをやりましたが、この時点で、軽く盛り上がります。

「あ、俺食材は釣りで集めたい!釣り!」 「かまどでピザを焼きたい!」 「まったり星を眺めたい」

などなどすでに大きそうなアイテムが聞こえてきますw そして、実際のアイテムの書き出しに入ります。

説明とプロダクトバックログ作り

テーマ発表と同時に手順を説明しました。

  1. まずは各自で付箋に黙々とやりたいことを書く:5分

 - この時に「〇〇をしたい」という形式に統一しました。  - ユーザーストーリーの形式に近づけたいのと、見積もるにあたり、単位を統一したいからです。

  1. やりたいことを集めて優先順位をつける = プロダクトバックログの作成 : 5分

 - この前段でプロダクトバックログについての会も終えていたので、「プロダクトバックログ」という単語をあえて出しました。  - やってない場合は「やりたいことリスト」と言ったりしてます。

  1. 簡単そうなタスクを1つ決めて、ストーリーポイントを"2"とする :1分

 - ここで相対見積もりの考え方を改めておさらいし、理解を促しました。

  1. 優先度が高いものから「せーの」でカードを出す
  2. ズレた場合は話し合う
  3. 再度「せーの」でカードを出す。

 - ここでルールを決めました。

  (1)カードを出すまでは何を出すか匂わせない

  (2)一人の発言によらないようにみんなで話すことを心がける

  (3)多数決ではない。少数決でもない。

  (4)忖度はナシw

という説明を行い、スタートです!

ワーク開始!

 あとは時間が許す限り、基本的には各チームを見守ります。 そして、時折、ちょっかいを出します。

特に序盤は

  • みんなが大きな数を出す = 「タスクが大きすぎるので、イメージつかないのでは?分割してみては?」
  • 見積もりの差が大きい = 「前提条件はどんなイメージ?しっかりチームで揃ってますか?揃ってなければ定義してみては?」
  • そのタスクが大きいか小さいかわからない = 「基準と比べるの忘れてない?近しいものを議論した時のメモを確認してみては?」

という形で、戸惑いそうな場面をアシストします。

そして、波に乗ってきて、自分たちで分割したり、前提条件を決め始めたら、今やっていることは何かを伝えます。

例えば・・・

「タスクが大きすぎて分割するのって、実際の開発でもよくありますよね?」 「前提条件を決めることって、要件定義そのものですよね?」 「"カレーを作る"の手順を書き出してるのって、設計ですよね?」

などなど。

そうこうしていると白熱したまま時間がやってきます。

ふりかえりと理解の時間

最後に、必ずふりかえりを行うようにします。

というのも、ワーク中は頭の中が「BBQ!BBQ!BBQ!」でいっぱいなので、 中にはこれをなんのためにやっているのか見失う人もいます。

それだけ集中して楽しんでくれているということでそれも成功の証ですが、最後に目的どおりに学びを持ち帰ってもらうためにしっかりふりかえります。

ここから先は個人差や時間にもよると思いますが、この時は、

  1. 付箋を使って自由に振り返る
  2. チームで共有
  3. チームリーダー(最年少)がみんなに発表

という方法をとり、発表時にはワークの途中に挟んだような

「タスクが大きすぎて分割するのって、実際の開発でもよくありますよね?」 「前提条件を決めることって、要件定義そのものですよね?」 「"カレーを作る"の手順を書き出してるのって、設計ですよね?」

みたいな解説を入れました。

そして、最後に用意していた「相対見積もりとは?」という資料を改めて読み合わせて1.5h終了という感じです。

このワークのポイント

このような感じで、プランニングポーカーのワークショップをやってみたのですが、私が思うポイントは以下です。

  • 見積もりはエンジニアだけのためじゃないので、営業や企画職を織り交ぜるのがオススメ
  • ワークのテーマは以下を満たすものがオススメ  - 全員が共通で理解できるもの  - 共同作業を伴うもの  - タスクにバリエーションがあり、チームごとに個性が出そうなもの  - タスクの中でも解釈によって、工数がバラバラになりそうなもの  - 仕事感が少ないもの
  • 全部をはじめに説明しても理解できないので、ワークの中でつまずいていたら、助け舟を出す
  • 最後に「なぜやったのか?何をしたのか」を伝えて現実に引き戻す

あとはチームの特性を生かして準備をしっかり行うのが大事だと思います。

最後に

ということで、プランニングポーカーのワークについて紹介してきました。 是非とも参考にしていただき実践してみてください。

もし、「難しいな」とか「外の人にやってもらった方がみんなちゃんとやるんだよな」等あれば、 コメントやTwitter(@PattionateHachi)でいつでもお声がけください!

【コラム】エンジニアのための飲み会処世術

社会人になると学生の頃に比べて飲み会に"意味"が込められていることが増えます。

例えば、懇親会や忘年会などの公のテーマがあるものから上司への相談、ライフイベントの報告など非公式のテーマが込められたものまであります。

一方で、この飲み会での立ち居振る舞いや空気が苦手な方もよく見られます。 今日はせっかくの貴重な時間を"最大限"楽しむためのちょっとした工夫についてまとめます。

誘われた時の処世術

 さて、まずは飲み会に誘われた時です。 まずここでわかる情報が

「主催者は誰か」 「いつなのか」

といった点です。

これにより「行きたい!」「行きたくない!」という第一印象が生まれます。 一つ目のポイントはここです。

行きたい飲み会であれば、問題ないのですが、行きたくない場合。 とはいえ、会社のイベントなどでは行かなきゃいけないのが常。

そこで私なら・・・

"行きたい店を提案"します!

これはなぜかというと単純に「モチベーションとなる要素を作る」ためです。

もし、行きたくない飲み会で、そのまま当日を迎えてしまうと嫌な気持ちが日々積み重なる一方です。 そのため、少しでもプラスの要素を作ります。

また、これにより幹事がめんどくさいと思う「店選び」をアシストする効果もあり、自然と幹事の評価も上がります。

当日の昼の処世術

さて、いよいよ当日。 この頃には

「行く店」 「時間」

は決まっているでしょう。 ここで重要なのが、

"参加者を探る"ことです。

極力、ネガティブな情報の中にモチベーションにつながる情報を探すため、参加者を探ります。

これにより、当日のフォーメーションをイメージし、自分のポジションを想定します。 これが次につながります。

そして、必要あれば、下調べや盛り上がりそうなネタを調べたり、脳内で反芻します。 さらに重要なことはここで

"会場に到着する時間を決める"ことです。

もし、行きたくないメンバーであれば、仕事を頑張り、ギリギリに駆け込めばいいのです。 ちなみに、感じに連絡せずに遅れるのはNGです。

話がしたいメンバーがいるのであれば、その人と一緒に向かうアポを取りましょう。

向かうまでの処世術

さて、出発の時間です。 話したい人がいるのであれば、その人と自然に向かいましょう。 そう、この時にどのくらいの距離感を保つかが、この後の数時間を左右します。

なぜなら、よっぽどの会でない限り、座席には入った順番で座ります。 つまり、"近くに座りたい人と一緒に入る"ことで隣や近くで楽しく話ができる確率が高いです!

一方で、遅れて向かう場合やギリギリに向かう場合。 この場合は素直にまっすぐ向かいましょう。できれば足早に。 自分が遅くなることを、幹事や周りの方は思った以上に気にしています。

向かっている人より待っている人の方が1分1秒を長く感じます。

一番NGなのが、みんなと一緒に向かっているのに"トボトボとつまらなそうに一人で歩いて行くこと"。 これは感じが悪いです。行きたくないオーラが周りの空気すら悪くします。

なので、そんな時は誰でもいいので、話している二人組のすぐ後ろを歩きましょう。 店に向かってる途中は一人一人の様子はあまり見られていません。

そのため、紛れることができます。

席に着くまでの処世術

いよいよ店に到着。 ここから席に着くまでが勝負です。

まず1番の勝ち組は話したい人と一緒に自然に席に着くこと。 これができれば安心です。

一方でそうはいかなかった場合。 まずは極力店に早く入りましょう。

そして、「どうぞ、どうぞ」と後から入った人をすすめます。 そして話したい人が来たらその横にすっと座ります。

最後についてしまった場合。最悪のフォーメーションになった場合は 私なら「吸い殻入れ」をまず手に取ります。 そして、タバコを吸う人の前にすっと差し出します。

そうすると今回のフォーメーションの中で"タバコを吸う人"と"吸わない人"がわかります。 そうするとタバコを吸う人吸わない人に席を分けようとする動きが稀に生まれます。

タバコを吸わない人は「ちょっと体調悪いので・・・」 吸う人は「迷惑かけないように集まりますか?」

といってフォーメーションを崩します。

お望みのフォーメーションに着いたら、あとは楽しむのみ。

盛り上がるまでの処世術

さぁ、乾杯も終わり、スタートしました。 しばらくはみんな冷静です。 そのため、ここではまだコアな話には持っていかず、周りの数人と和気藹々と話すことを心がけましょう。 これが苦痛の場合もあります。

そんな時は周りの話に耳を傾け笑顔でうなづくだけでもいいでしょう。 次第に酔いが回って楽しくなる方やコアな話をする方も生まれて来ます。

そうなったら、チャンスです。話したい人と好きな話をしましょう。 話したい人がいない場合。食事やお酒を楽しみましょう。

そして時折、盛り上がってる方向を見て笑顔でうなづけば、もうあなたは溶け込んでいます。

中だるみの処世術

さて、時間が進むにつれ、中だるみが生まれることもあります。 そんな時は誰かがトイレに立つとチャンスです。

自分のグラスを持って、そっとその人がいた席に座りましょう。

何も言わなくても周りの人が声をかけてくれます。 もしくは自分が席を立つ。戻ると誰かが、座ってるかもしれません。

自然とフォーメーションを変えて行きましょう。

締めの処世術

宴もたけなわ。楽しい飲み会も辛い飲み会も終わりが来ます。 締めの言葉が幹事や偉い人からなされたら、退室です。

早く出たい場合は挨拶してさっと出ましょう。 この頃にはみんなあまり周りを気にしていませんし、もう終わっているので気にしません。

話足りない場合は、話したいひとと追い出されたり、全員が立ち上がるまで好きに話しましょう。

解散までの処世術

さて、みんなで店の外に出ました。 ここで帰りたい場合は店を出たタイミングで駅の方面に2,3歩離れます。 これにより、もし「二次会行くひと!」の声が上がっても自然と離れられます。

一方で次に向かいたい場合はその中で一人はいるであろう二次会に行きそうな人に 「あれ?二次会どこですか?」というだけで喜んで人を集めてくれます。

あとは自分が楽しむのみです。

とはいえ・・・

色々と書いて来ましたが、とはいえ、"楽しむこと"が大事です。 嫌なことでも楽しむ意識や嫌な人のいいところを探すようにすれば、少しは気が晴れます。

本当に嫌だったら、体調不良や緊急事態を理由に帰ってしまえばいいんです!

細かいことは考えず、思うがままに楽しんだもん勝ちだと私は思います。

ただ、どうしても辛くなったら、紹介した回避方法を思い出していただければと思います。

【読了】ティール組織 ~新しい組織へのバイブル?~

いやー・・・長かったw 読み始めてから数ヶ月かかってしまいました。 本編だけで500P超。正直最初の方はあまり覚えていないですが・・・。

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

今年2月に発売されたマネジメントの書籍。 今までの組織のあり方を色でたとえながら、新しいティール色の組織について語っている書籍です。

なぜここまで流行ったのか。

私の中で思ったのは、よくあるマネジメント本の「現在をどう変えるか」「この状況をどう打破するか」といった振り返ると繰り広げられているようなリアルな日常ではなく、まずあるべき新世界の組織を説いているような序盤。

そこから、実際の組織の事例へと進んでいくスタイルが、ある意味浸透してくるような構成で、

映画のジャンルで例えるとSFほど離れてもおらず、はたまたノンフィクションですらなく、パニックホラームービーに近い、距離感があるのかもしれない。

組織と自分の関係

ティール組織では、現代の達成型組織のような過度な圧力はない。

「自分がミスをすると会社が・・・」 「上司が・・・仲間が・・・」

といった、運命共同体のような状態だからこそ強制的に表出する社会的圧力がない。

人々は知らず知らずにこの圧力に触れ、疲弊していく。 それは上司と部下のような縦社会とそれによる主従関係に似た構図が期待と結果に対する報酬という形で支払われる対価によるもの。

ティール組織ではそのような階層の概念を持たない組織について説いている。

ティール組織は存在するのか

本書の中ではティール組織の要素を持った組織が多数登場する。 そして、その組織での失敗やそこからの考え方などが紹介されている。

しかし、全てを通して、完璧なティール組織は存在しない。

本書におけるティール組織はある意味での理想郷であり、ユートピアのような存在なのかもしれない。

しかし、読者の意識を刺激し、このような理想郷へいつの間にか帆先を向かせる本書の存在は 未だ見ないティール組織へのバイブルなのかもしれない。

【コラム】ゴールデンサークルを最大限活用するには? ~考えるという行為は効率化するべきなのか?できるのか? ~

今日ふと出会った一場面。

「顧客獲得のためのステップやテクニックに対する議論はよくしているけど、本質の議論がされていない」

その様子を横目で見ていると

「そもそも、なぜそれをやるのか?」「なぜこういう状態なのか?」「なぜ、課題が発生しているのか」 を理解しないと「どうやって解決する」が刺さるわけがないのではないか?

というやりとりが展開されており、私はそれを静観しながら、ゴールデンサークルを思い浮かべていた。

そこで、今日は

「考えるという行為は効率化するべきなのか?できるのか?」

ということをつらつらと書いていきたい。

ゴールデンサークルとは

そもそも、ゴールデンサークルって何?という点をさっと触れておく。

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上図がゴールデンサークルそのもので、物事を考える上で、WHY → HOW → WHATという順番で考え、説明することで課題の本質を理解する方法であり、考え方を言う。

有名なところでいうとこんな動画が理解を助けてくれる。

www.ted.com

このゴールデンサークルを使うことによって私自身も考え方の手順が明確になり、脳内がこんがらがることなく、考えられた経験が多々ある。

その経験はゴールデンサークルを使わずに考えたことに比べ、効率よく考えられたような気持ちにもなる。

はて?

ここで違和感。「効率よく考える」とはどういうことなのだろうか? そもそも、「考える」という行為において効率化は可能なのだろうか?

なぜ「考える」必要があるのか?

さて、そもそも我々は なぜ「考える」という行為を行う必要があるのか。 無限に理由はある気がするが、一部にフォーカスすると

「ある行為に対して"決断を下す"ため」

なのではないだろうか

では、どうなれば決断を下すことができるのか?というと

「数多ある手段の中から"自分なりの"最適解を求めること」で、

"自分なり"とは

「自分が納得でき、腑に落ちて理解できる」ということ。

まるで、ジグソーパズルが完成するような状態だと私は感じる。

では、その

"ジグソーパズルを完成させる"

ということが時にうまくいかない理由とは何だろうか

時間の壁

我々の世界には時間という概念がある。 それは全員に平等で、1秒たりともずれはない。

そして、決断を迫られる場面は時に、この"時間"に制限される。

つまり、

「決められた時間内に決断を出さないといけない」 = 「考えるために割ける時間に制限がある」

という場面が往往にしてある。

この限られた時間の中で最適解を求めるために、他と差をつけることができるとしたら、それは

"1分1秒の濃度を上げる"

ことしかないのではないか?

どうやって濃度を上げるのか

では、濃度を上げるにはどうすればいいのか。 私は残念ながら、そのために近道はないと思っている。

一方で、スポーツと同じで、

"正しい方法で反復練習をする"

ということが大事であり、

その"正しい方法"の一つこそがゴールデンサークルではないだろうか。

しかしながら、「ゴールデンサークルを使えば、必ずうまくいくのか」というと全くそうではない。

前述の通り、そこには"濃度を濃くする意識"と基礎体力をつけるような"反復練習"が必要と考える。

「考える」に近道はあるのか

ということで、私は「考える」という行為の質を上げること、1秒の濃度を濃くすることに近道はないと思っている。 これを最初の表現に戻すと

「考えるという行為は効率化するべきなのか?できるのか?」

に対しては

"NO" だと思っている。

一方で、「考える内容や中身を効率化することはできなくとも、過程を効率化することはできるのではないか?」と思う。

これはどういうことかというと、

「あっちを考えて・・・あ、こっちもやらなきゃ・・・そのためにはこれも・・・」

というように考えを深めれば深めるほど枝葉のように考えるべきことが増えるのはよくあることだ。

そんな時に順番に落ち着いて考えることはできると思っており、 これは"考える過程を効率化する"ということではないだろうか?

その方法として、ゴールデンサークルは最適であり、いわば

"「考える」という競技における「基礎体力づくり」のメソッド"

なのではないかと思う。