きっと、うまくいく~非IT業界をスクラムで変えるための系譜~

一人のPO見習いが業界を変えるために奔走する様子をただただ綴るブログです。

【私のやり方紹介】マシュマロチャレンジ ワークショップ

昨日はこちらのイベントで登壇してきました。

カイゼン・ジャーニー・カンファレンス - DevLOVE | Doorkeeper

参加いただいた方々、ありがとうございました。

実は昨日マシュマロチャレンジに触れたのですが、某びば参加ら指摘があるようにこんな感じで雑だったので、ちょっと丁寧に解説しようかと思いますw

解説すると言っても、マシュマロチャレンジ自体を掘り下げるだけだと

「へー、そうなんだ」

で終わっちゃうかなと思い、真似して実践してもらえるように、 どんな感じでワークをしているのかをまとめていきます。

マシュマロチャレンジとは

マシュマロチャレンジとは、マシュマロやパスタを使ったチームビルディングに最適なワークです。 後述しますが、TEDなどで発表されたり、Jeff Patton氏のトレーニングにも使われています。

使用するものは

  • 乾燥パスタ:20本
  • マスキングテープ:91cm
  • ひも :91cm
  • マシュマロ:1つ
  • はさみ:1つ

です。

なんで91cmかというと厳密には1ヤードなんですね。日本だとヤードは馴染みがないので、91cmというわけです。 これを使って、できるだけ高い建造物を作っていきます。時間は18分

これをよく「タワー」と表現する方もいますが、「タワー」という言葉自体が建造物の形を連想させてしまい、ある意味誘導してしまうので、私は「建造物」と呼ぶようにしてます。ピラミッド型とかドーム型もあり得るので。

そして、この建造物の構築にもルールがあります。

  • 高さはマシュマロまでの高さを測ります。 = 頂点にマシュマロ
  • 机、床、天井、机の脚に固定してはいけない
  • パスタ、テープ、紐のカットはOK。マシュマロのカットはNG

ここまで理解した方は薄々気づいていると思いますが、これがかなり不安定になります。

そして、途中でいろんな気づきがあります。

ここから先はやってみてからのお楽しみ!

私の適用場面

このマシュマロチャレンジですが、私はどのように使うのか。基本的にはチームビルディングに使います。 特に、エンジニア以外も参加する場合

というのも、エンジニアに対してのチームビルディングで使う場合もありますが、 どちらかというと具体的なスキルやりたいこと、伸ばしたいことを知りたいので、「ドラッガー風エクササイズ」や「星取表」をやることが多いです。

一方で、営業職や企画職とエンジニアが混ざってチームを構築する場合はそのスキルに左右されない「マシュマロチャレンジ」や「価値観ババ抜き」から入ります。

ちなみに価値観ババ抜きについてはこちらから

passionate-po.hatenablog.com

価値観ババ抜きのインストラクターでもあるので、気になる方はお気軽にお声がけください!

導入の方法

私はアジャイルスクラムの説明をするときに大抵の方々と同じように、よくウォータフォールと比較して説明します。 ただし、言葉だけではなかなか伝わらないことが多いです。いわゆる「頭で理解しても、やったことないからピンとこない」というやつです。

なので、ブレイクダウンしていく中で

「どの仕事でも"サイクルを回すこと"が大事ですよね?」

という話をします。

ここで、なんの前触れもなく、ワークに持っていきます!

「突然ですが、サイクルをまわすことをワークで体験してみましょう!」

「それが、マシュマロチャレンジ!(どーん)」

みたいな感じです。

そして、あえて、マシュマロチャレンジが「どういうなりたち」とか「どういうことに有効」とか何も言いません。 一方で、絶対にいうことも1つあります。

それは、

「世界記録は99cmです。」

という言葉です。

さらに近い組織や隣の部署などの最高記録を伝えるのも面白いです。

そう、みんなこれを目指すことで面白い展開が待ってますw

その後、18分をスタートさせます!

そうすると、面白いくらい

みんなアタフタしますww いきなりパスタを触り出しますww

そう、これが狙いです。

なんの先入観もなしにまずはやってみることで、失敗してもらいます。 失敗することによって強く印象に残り、深い気づきがやってくるからです。

そのため、18分の中で

  • 「紐ってどう使うんだろ?」
  • 「土台はどうやればいいんだ?」

という問いが自然に生まれ、突然誰かがひらめきます。

しかし、大体がすでに時を遅し。

ふりかえり。再チャレンジへ

18分間が無情にも終了すると、大抵は落胆します。 これこそ大事な経験です。ここで、

「この後、もう一回やります。」

と救いの手をさし伸べます。

そして、ふりかえりに誘導します。 このふりかえりでは主に

  • どうすれば、世界記録を超えられるか
  • 今よくなかったことは?
  • よかったことは?

を自由に付箋に書いていただき、ある程度進んだら、チームで共有してもらいます。

書いてる途中にも状況によってアドバイスをします。

  • 「時間配分はどうでしたか?」
  • 「役割分担はうまくいきましたか?」
  • 「資源は全て活用できましたか?」

といった感じで、フォーカスするべきポイントをヒントとして与えます。

2回目、ふりかえり。

そして、2回目をスタートします。 ここでは先ほどとは打って変わってほぼ何も言いません。

なぜなら1回目と違って、すでにみんなビジョンを持っています。 なので、特にアドバイスはいらないのです。

気づきとクロージングへの誘導

さて、2回のチャレンジが終了したあと、ここでやっと「マシュマロチャレンジの成り立ち」や「どういう場面に効果があるのか」などのお話をして、 この動画を見せます。

www.ted.com

最後に、今回の参加者が固有のプロジェクトのメンバーであれば、「そのプロジェクトに置けるマシュマロの話」や、全くこれからスタートのプロジェクトであれば、「まずは私たちのマシュマロを考えましょう」ということで「ユーザーストーリーマッピング」や「仮説キャンバス」などのワークの予告をしたりします。

私の思うポイント

このような流れでマシュマロチャレンジをいろんな方々に実践してきましたが、 このワークでは特に

「どのタイミングでどこまでの情報を与えるか」

というのが割とポイントだと感じています。

また、

「情報を与えすぎることもNG」

だと思います。

なぜなら、誰でもできる簡単なワークなので、みんな自分で勝手に気づいていきます

最後に

ということで、マシュマロチャレンジのワークについて紹介してきました。 是非とも参考にしていただき実践してみてください。

もし、「難しいな」とか「外の人にやってもらった方がみんなちゃんとやるんだよな」等あれば、 コメントやTwitterでいつでもお声がけください!