【読書感想】アジャイル歴史探訪。そして実践も「アジャイル開発とスクラム~顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント~」
今回はこちらの本について!
アジャイル開発とスクラム~顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント
- 作者: 平鍋健児,野中郁次郎
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/01/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 12回
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この本の構成は
という3部構成で、**スクラム、アジャイルに足を踏み入れたかたがもう一歩踏み込むために最適な書籍**です。
この書籍のポイントは、他の導入編の書籍ではあまり触れられない
アジャイルの歴史をしっかり学ぶことで理解を深めるスタイル
これも大変大事な要素です。
アジャイル開発とは何か
ここでは米国の成功事例から始まり、アジャイルとウォーターフォールの違いとアジャイルソフフトウェア開発宣言に触れ、アジャイルのオリジンに迫っています。
なぜアジャイル開発なのか
ここでは、従来の発注から納品という流れにおけるゴールの変化や作ってみたけど使われないという開発者として苦しめられる部分に触れ、
- ゴールを共有した開発
- 「スピード」と「変化への対応」
と言った重要性とそのためのアジャイル開発の必然性に触れています。
スクラムとは何か?
ここでは、「スクラムはなぜ開発されたのか」を導入にスクラムに欠かせない役割やセレモニーに触れていきます。
その中には
- 3つの役割(プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発チーム)
- 3つの成果物(インクリメント、プロダクトバックログ、スプリントバックログ)
- 5つのイベント(スプリント、スプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブ)
そしてこの章の最後、まとめには大事なこんな一言も
スクラムを実践するには、組織を変えていく情熱が必要である
アジャイル開発の活動(プラクティス)
ここでは実際の手法や解決のためのワークの紹介がされています。
まずはXPで提唱された「ユーザーストーリー」という考え方を持つこと。
そして、
など、決してスクラムのセレモニーとしてのみ必要なものではなく、日々、組織をプラスにしていく要素や手法が紹介されています。
アジャイル開発とスクラムを実践する
ここまでスクラムの起源に触れ、そこから手法を学んできました。この章では、実践されている事例の紹介です。
ここでは、
という日本企業の成功事例を実践者のコメントも交えながら、紹介しています。
この章は読んでいて**「自分にもできるのでは?」**と自信が持てる構成です。
アジャイル開発とスクラムを考える
最後の章ではスクラムの父、野中郁次郎氏との対談やコメントを中心にスクラムの歴史探訪が始まります。
なんと言ってもこれが貴重!
他のアジャイル、スクラムの書籍では触れられない起源や歴史についての理解はスクラムを実践していくにあたり、抑えておきたい内容です。
故くを学び新しきを知る
この本の素敵なところはやはり、起源に触れ、歴史を大切に伝えてくれる点。
手法やセレモニーの表面的な上部の理解では、いずれそのメッキは剥がれてしまう。野中郁次郎先生の思いや深い考察に触れることで、体にスクラムを浸透させることは僕個人としては大変重要なことと感じます。
そのために必要な書籍がこの一冊。
アジャイル開発とスクラム~顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント
- 作者: 平鍋健児,野中郁次郎
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/01/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 12回
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ぜひ手に取って、体に染み込ませてみてください。