顧客の目線に立った価値提案を学ぶ「カスタマージャーニーマップ」
先日、某若手社員からこんな相談がありました。
「全く接点がない新しい顧客へのアプローチ方法がわからない」 「営業の各個人にやり方があるが、それぞれのやり方でやっていてノウハウがわからない」 「自分で考えているが世の中の正しい方法がわからない」
そこで感じたのが、営業やマーケティングがいわゆる"暗黙知"になってしまっていること。 営業を体系的に教育することは果たして難しいことなのでしょうか?
問題は、営業としてのセオリーやノウハウが経験に裏付けされているという点です。
裏を返すと「経験がないとセンスや感覚で仕事をするしかない」という状態になってしまっているのでは?と思います。
ただ、私は営業職ではないので、残念なことにその"経験"を持ち合わせていません。
一方で、世の中のベストプラクティスや方法については調べれば出てくる便利な状態です。 そこで今回はそんな若手社員と行った「カスタマージャーニーマップ」についてまとめてみようと思います。
参考はこちらの書籍。
はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ(MarkeZine BOOKS) 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性
- 作者: 加藤希尊
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/09/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは「顧客の行動、感情などを分析して、どうすれば自社のサービスが受け入れてもらえるかを体系的に考える手法」です。
具体的にはこのあと説明していきますが、「行動」「思考」「感情」の変化を追うことで「接点」や「打ち手」を整理するものです。
最終的なアウトプットのイメージはこんな感じです。(ちょっと業務に寄っちゃってるのでモザイクを・・・。)
では、実際にどんなステップで作成していくのか見ていきましょう。
Step1:テーマを決める
ここでは以下の項目を考えます。
- 今回のテーマ
- 今回の対象とするサービス
- スタート(ジャーニーの始まり)
- ゴール(ジャーニー完了時点のなっていて欲しい状態や状況)
- スタートからゴールまでの期間
これらは後のすべての状態に関わってくる重要な情報です。 「顧客がそのサービスを導入していること」がゴールなのか「それぞ使いこなして効果を感じていること」がゴールなのかなどそのプロダクトやサービスの目指すべきビジョンと照らし合わせて考えます。
Step2:ペルソナを設定する
ペルソナとはマーケティング用語として有名な言葉なので、営業の方はよく知っていると思いますが、「想定するターゲット像」を意味します。
ただ、「なんとなくこんな感じの人」ではなく部署、名前、年齢、決済可能予算額、性格、部下の数など、実際の顧客のような人物像をイメージします。
Step3:行動を洗い出す
次にスタートからゴールまでのペルソナの行動を洗い出します。 まずは思いつく限りたくさん行動を書いて、それを整理します。
ここでペルソナが活きてくるわけですが、今回のサービスを決済できるような権限を持っているのか否かで社内稟議など社内の事務手続きと共有、説得作業が伴うと思います。 この辺りの細かい部分こそが顧客が手間に思っている可能性があるリアルな部分なので、"いかにリアルに書くか"がこのステップの肝かもしれません。
Step4:行動をステージに分ける
次は各行動の塊を"ステージ"というカテゴリに分けます。 ある程度ステージ分けができたら、大きな流れを把握し、足りない行動を付け加えます。
このステージの塊がこの先の顧客との接点に大きく関わります。
Step5:感情の起伏を想像する
このステップでは、自分の気持ちを殺してペルソナの気持ちになりきります。 具体的には"顧客が何を感じ、どんな課題を抱えているのか"に焦点を当てて考えます。
Step6:顧客接点と自社の行動を名確認する
ここでは、各顧客の行動時の自社の行動や顧客との接点を明確にします。 その方法には「ツールを介した接点」や「人を介した接点」などいろんな要素が含まれます。 これを包み隠さず洗い出していきます。
Step7:対応策を考える
最後に、このジャーニーで課題になる部分の対応策を考えます。
主に
- 感情がネガティブになっている部分をどうポジティブに変えるか
- 縦軸で見たときの課題をどう解決するか
- 横軸で見てスピードが落ちそうな点、顧客が面倒に思う点をどう軽減するか
など、これまでに可視化できている部分を元に解決するための打ち手を洗い出します。
Step8:視点を変えてアイディアを追加する
最後に全体を眺めて、
- 「このジャーニーの期間を半分にするには?」
- 「このジャーニーの成功確率を上げるには?」
などを考えてみます。 さらに完成したジャーニーを元にタスクまで落とし込みができると次のアクションにつながります。
やってみた結果がこちら
やってみるといろんな気づきがあります。 そして、各自の脳内にはあっても共有できてなかった部分を共通認識にすることができます。
詳細はぜひ、こちらの書籍を参照してみてください! もしくはいつでもお声がけください!
はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ(MarkeZine BOOKS) 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性
- 作者: 加藤希尊
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/09/25
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