きっと、うまくいく~非IT業界をスクラムで変えるための系譜~

一人のPO見習いが業界を変えるために奔走する様子をただただ綴るブログです。

【コラム】RSGT2019で話したかったこと!

来たる2019年1月、毎年恒例となりました、Regional Scrum Gathering Tokyo2019が開催されます。

このイベントのセッションは10月に公募がなされていて、計80を超える応募の中から約30のセッションが行われます。 私も下記の2つを応募してみました!

confengine.com

confengine.com

残念ながら、両方とも採択されるに至らなかったのですが、今回はこの講演でどんな話をしたかったのか、整理してみようと思います。

序文に抱いた思い

今回はまず序文にこんなことを書きました。

"チームで仕事をする"という場面において、気心の知れた仲間や同じ価値観を持った仲間のみとチームを組成できる機会はそうそうありません。

むしろ、自分と異なるスキルや価値観を持つ人や初対面でのチーム組成も少なくありません。

そして、プロダクトを生み出すにあたり、エンジニアのみではなく、企画職、営業職など文化の異なるメンバーが集まることも当然必要になります。

一方で、「スクラム」「アジャイル」といった流儀を営業や企画職にうまく伝え、一緒に進めていくのも一苦労。

言葉の違うチームにおいて、お互いを知りながら、チームを形成するために私が行った「営業、エンジニア合同のスクラム勉強会」についてワークショップ設計時の工夫、そこでの学びをお話しします。

また、初めてでも同じように組織にチームビルディングのワークショップを行っていただけるようなポイントについても紐解いていきます。

これは私が携わっているプロジェクトでのモヤモヤから生まれたものです。 私の所属する会社はソフトウェア、ハードウェア、ネットワークエンジニアが全体の約1%です。 そのため、プロダクトに関しても複数を同時にこなし、チームも2,3人がメッシュ状に絡まなくてはならない、スクラムでいうとアンチパターンに相当する状態で、ビジネスの規模や需要を考えるとここは仕方ない状態です。

 一方でチームとしては気心の知れたメンバーとのやりとりを基本としてはいますが、チームビルディングやカイゼン、ふりかえりを重んじる空気には育ちました。  開発チームとしてはそんな状態ではありますが、複数あるプロジェクトにおいては各部署や外部の顧客などステークホルダー異なり、また複数存在するパターンが多くあります。  そのため、PdMに相当する人間が調整を進めていきます。 ただし、発話する言葉の種類や観ている世界が異なることですれ違いやお見合い状態が多く発生しています。  特にそれはメンバーと外部の顧客というよりも

 開発チーム - 担当営業 - 外部顧客

という構図の中で

 開発チーム - 担当営業

によく起こります。中には 開発チームと外部顧客は意思疎通ができているのに、担当営業との方向が揃わないこともあります。 具体的には

 外部顧客「(優先順位は高くないから)もし可能であればお願いしたい」  開発チーム「根本の設計思想に影響するので、代替案としてこれはどうか?」  外部顧客「OK!」

 担当営業「いやいや、顧客が最もやりたかったのはそれじゃないから、叶えないと!

といったことが起こります。

これはどうして起こるのか?私はいろいろ調べてみました。

あらゆるアジャイルスクラムの書籍や勉強会に参加してもなかなか見つからない。

一つ見えてきたのはそれぞれの役割で

  • 評価者が違う
  • ゴールが違う
  • 価値観が違う
  • 嬉しいポイントが違う

と言った点が大きいということ。ただし、これは当たり前ではありつつも解決策に直接結びつくものではありません。 そんな中で出会ったのが、Jeff Patton氏のCSPO(スクラムアライアンス認定プロダクトオーナー)研修で出会った "ディスカバリーチーム"という考えでした。

ディスカバリーチームという考え方

ディスカバリーチームとは開発チームのみならず、営業、企画、アナリスト、デザイナーなども含めたチームでプロダクトを開発する前にインタビューやプロトタイプを活用した仮説検証を行うことで「本当に必要なものだけを作ることに専念する」という考え方です。

 この考え方に感銘を受けた私はそこからいろいろと仮説検証を学ばせていただいています。

では、ディスカバリーチームを組めばそれでいいのか?

私はそうではないと思います。

というのも、開発チームで新しいプロジェクトにのぞむ時に

  • インセプションデッキやゴールデンサークルをつくり・・・
  • ドラッガー風エクササイズでチームの期待値をすり合わせ・・・
  • 仮説キャンバスなどでプロジェクトのあらましを理解し・・・

という行動は開発チームはおろかプロジェクトに関わる全員が行うべきではないでしょうか?

そう、それはアジャイルスクラムを知っていようがいなかろうが

"アジャイル"、"スクラム"は開発チームだけのものではない。

ただ、いきなりそんなことを言って「なんだそりゃ?」となるのも当然です。 なので、私は営業と企画を交えたスクラム勉強会を開催しました。

内容は全6回で座学半分、ワークショップ半分というで

  • アジャイルって何?スクラムって何?
  • POとは?SMとは?チームとは?
  • 相対見積もりとは?ベロシティーとは?
  • 各種セレモニーの意味と内容とは?
  • 心理的安全性の高いチームとは?
  • プロジェクト、プロダクトのゴールとは?

と言った話をしました。

そんな私の取り組みの中からの気づきや「まだ始められてないけど、どうしたらいいのか?」と言った方々に伝えられればと思って申し込んでみたのが今回の内容でした。

今回は残念ながら採択されませんでしたが、もしご興味がある方がいれば、DevLOVEなど他の場で是非お話しさせていただければと思います。