きっと、うまくいく~非IT業界をスクラムで変えるための系譜~

一人のPO見習いが業界を変えるために奔走する様子をただただ綴るブログです。

【コラム】ゴールデンサークルを最大限活用するには? ~考えるという行為は効率化するべきなのか?できるのか? ~

今日ふと出会った一場面。

「顧客獲得のためのステップやテクニックに対する議論はよくしているけど、本質の議論がされていない」

その様子を横目で見ていると

「そもそも、なぜそれをやるのか?」「なぜこういう状態なのか?」「なぜ、課題が発生しているのか」 を理解しないと「どうやって解決する」が刺さるわけがないのではないか?

というやりとりが展開されており、私はそれを静観しながら、ゴールデンサークルを思い浮かべていた。

そこで、今日は

「考えるという行為は効率化するべきなのか?できるのか?」

ということをつらつらと書いていきたい。

ゴールデンサークルとは

そもそも、ゴールデンサークルって何?という点をさっと触れておく。

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上図がゴールデンサークルそのもので、物事を考える上で、WHY → HOW → WHATという順番で考え、説明することで課題の本質を理解する方法であり、考え方を言う。

有名なところでいうとこんな動画が理解を助けてくれる。

www.ted.com

このゴールデンサークルを使うことによって私自身も考え方の手順が明確になり、脳内がこんがらがることなく、考えられた経験が多々ある。

その経験はゴールデンサークルを使わずに考えたことに比べ、効率よく考えられたような気持ちにもなる。

はて?

ここで違和感。「効率よく考える」とはどういうことなのだろうか? そもそも、「考える」という行為において効率化は可能なのだろうか?

なぜ「考える」必要があるのか?

さて、そもそも我々は なぜ「考える」という行為を行う必要があるのか。 無限に理由はある気がするが、一部にフォーカスすると

「ある行為に対して"決断を下す"ため」

なのではないだろうか

では、どうなれば決断を下すことができるのか?というと

「数多ある手段の中から"自分なりの"最適解を求めること」で、

"自分なり"とは

「自分が納得でき、腑に落ちて理解できる」ということ。

まるで、ジグソーパズルが完成するような状態だと私は感じる。

では、その

"ジグソーパズルを完成させる"

ということが時にうまくいかない理由とは何だろうか

時間の壁

我々の世界には時間という概念がある。 それは全員に平等で、1秒たりともずれはない。

そして、決断を迫られる場面は時に、この"時間"に制限される。

つまり、

「決められた時間内に決断を出さないといけない」 = 「考えるために割ける時間に制限がある」

という場面が往往にしてある。

この限られた時間の中で最適解を求めるために、他と差をつけることができるとしたら、それは

"1分1秒の濃度を上げる"

ことしかないのではないか?

どうやって濃度を上げるのか

では、濃度を上げるにはどうすればいいのか。 私は残念ながら、そのために近道はないと思っている。

一方で、スポーツと同じで、

"正しい方法で反復練習をする"

ということが大事であり、

その"正しい方法"の一つこそがゴールデンサークルではないだろうか。

しかしながら、「ゴールデンサークルを使えば、必ずうまくいくのか」というと全くそうではない。

前述の通り、そこには"濃度を濃くする意識"と基礎体力をつけるような"反復練習"が必要と考える。

「考える」に近道はあるのか

ということで、私は「考える」という行為の質を上げること、1秒の濃度を濃くすることに近道はないと思っている。 これを最初の表現に戻すと

「考えるという行為は効率化するべきなのか?できるのか?」

に対しては

"NO" だと思っている。

一方で、「考える内容や中身を効率化することはできなくとも、過程を効率化することはできるのではないか?」と思う。

これはどういうことかというと、

「あっちを考えて・・・あ、こっちもやらなきゃ・・・そのためにはこれも・・・」

というように考えを深めれば深めるほど枝葉のように考えるべきことが増えるのはよくあることだ。

そんな時に順番に落ち着いて考えることはできると思っており、 これは"考える過程を効率化する"ということではないだろうか?

その方法として、ゴールデンサークルは最適であり、いわば

"「考える」という競技における「基礎体力づくり」のメソッド"

なのではないかと思う。