【読書感想】ユーザーストーリーマッピング
今日はCSPO研修の講師でもあったJeff Patton氏のユーザーストーリーマッピングの読書感想です。
- 作者: Jeff Patton,川口恭伸,長尾高弘
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2015/07/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本もCSPO研修でいただいたものですが、 約16時間のCSPO研修では学びきれなかったJeff氏の考え方や経験。そして、多くの事例が凝縮された一冊です。
特徴としてはこの手のスクラム関連書の中でも
特に熱い!
Jeff氏の研修が"情熱の・・・"とついている通り、 正直なかなかの高齢に差し掛かるJeff氏の情熱に圧倒されているようでは自分もまだまだだなと思うほど、熱いです。
勉強になるポイント
特筆するべきは"スクラム"というと開発の手法としての取り扱いが多いですが、 この本では開発チームは開発だけではなく、それと同じかそれ以上に
顧客の声を聞き、使い方を学ぶ
ことの重要性がうたわれており、それに当たるチームとして"ディスカバリーチーム"という名称が与えられています。 これは、開発者からすると正直賛否両論な部分でしょう。
これに加えて
製品開発の目標は、製品を作ることではない
ともいっています。 この言葉の意味は、製品は開発が完了して終わりではなく、そこからユーザーが使ってサイクルの中で改善され、機能も追加されていくという流れが当然あります。
そのため、ユーザーの製品に対する接し方が大事です。
「それでは仕事が増えるじゃないか」
そういう声もあるでしょう。 それに対しては
いつも私たちが持っている時間とリソース以上に、作るべきものだ存在する
そのため、
- 作るものを"MVP(Minimum Viable Product)"という形で最小限にすること、
- むやみに作るのではなく仮説を立て、検証し、ようやくリリースすること
を提唱しています。
また、「スクラムはドキュメントが入らない」ということを言う人もいますが、 Jeff氏はそうではないと主張しています。
ドキュメントは入らないわけではない。従来の仕様書が入らないだけで、思い出すための材料となるホワイトボードの写真やメモは必要
といっています。
闇雲なスクラム提唱者やなんとなくでスクラムをやっている人間は形から入ることでその真意を理解していないことが多いです。 そういった人たちには是非お話をしたい一節でした。
まだまだ語り足りないですが、本編を読んでいただきたいと言うこともあり、最後に一つだけ。
Jeff氏の思いが凝縮している一言としてこの言葉をあげておきます。
要件を集めて話すことが目的じゃない「世界を変えること」が目的だ
そう、私たちが開発を行うことは システムを作ることでも、言われたことを具現化することでもありません。
世界を変えることだと言うことを再認識させてくれた一冊でした。
- 作者: Jeff Patton,川口恭伸,長尾高弘
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2015/07/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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是非、まだの方はお手にとって熱量を感じてください。